携帯は本当にガンの原因になる?

海外ニュース
スポンサーリンク

動物実験の段階ですが、携帯電話から出る放射線にさらされるとある種のガンのリスクが高まるという結果が発表されました。携帯が必需品となっている私たちにとって心配な話ですね。英語を学びながら読んでみましょう。
(英文は、”Study in rats reignites debate over cell phones and cancer” USA Today 2016/5/27)

<関連サイト> スカイプ英会話を探すなら! | オンライン英会話比較360°

■携帯からの放射線ががんの原因か!?

この話は今回初めて出てきたわけではなく、生活していると放射線をたえず浴びているのでその影響に関する議論は賛否両方の立場から、これまで何度も繰り返されてきました。今回の発表に対しても、結論を下すにはまだ論証が不十分だという反論が上がっています。

この研究で確認されたのは、携帯からの大量の放射線量(high doses of radiation)をたえず浴び続けたオスのラット(ネズミ)は、脳と心臓に発症する珍しいガンにかかる例が、放射線を浴びないラットよりも多かったということです。同時に、この傾向はメスのラットでは確認できなかったということです。

(単語チェック)
dose:放射線量
 本来の意味は「薬の1回分」、また動詞として「投薬する」。
 また、口語では不愉快な経験(の1回分)という意味でも使われます。

 I think that a dose of hard reality would open her eyes.
 厳しい現実を1回でも経験すれば、彼女も気がつくと思う。

 いずれにしても、あまり良い物を表す言葉ではありませんね。

■携帯の放射線を浴び続けたラットのうち2%ががんに!?

About 2% of exposed rats — 11 out of 540 — developed malignant gliomas, a type of brain tumor.
携帯の放射線を浴び続けたラットのうち2%(540中11)について、脳腫瘍の一種である神経膠腫を発症した。

(単語チェック)
exposed:expose(〜にさらす)の過去分詞
develop:(病気を)患う、発症する
 この意味のdevelopはよく使われます。病気に関する話でdevelopが出てきたら「発症する」ではないかと考えてください。
 Call the doctor if your child develops a rash.
 お子さんに発疹が出たら医師を呼びましょう。

malignant:悪性の
gliomas:glioma(「神経膠腫」で、脳腫瘍の一種)の複数形
tumor:腫瘍

■放射線を浴びなかったラットの方が短命!?

About 3.5% of exposed rats — 19 out of 540 — developed a type of tumor called a schwannoma in the heart.
3.5%(540中19)に、神経鞘腫(schwannom)と呼ばれる種類の腫瘍が見つかった。

放射線を浴びなかったラットにはどの症状も出なかったということですが、一方で興味深い事実もわかりました。

Yet, in a surprising finding, those animals lived shorter lives than the ones exposed to the cell phone radiation.
しかし驚くべき発見があった。携帯の放射線を浴びなかったラットの方が短命だったのだ。

(単語チェック)
live shorter lives:短命に終わる
 live a lifeは「生活を送る」。動詞liveと目的語lifeは同じ意味のくり返しですが、lead a lifeと同じ意味の決まった表現として使われています。
 I want to live a life like you.
 私はあなたのような生活を送りたい。

 live shorter livesもそうですが、lifeに形容詞を伴って使うことも多いです。
 I don’t want to live a miserable life like him.
 彼のような惨めな生活は送りたくない。

■米セルラー通信工業会の反応は!?

携帯が発する低周波の(low-frequency)放射線は脳腫瘍の原因になり、特に携帯をよく使う側のリスクは問題とされてきましたが、次のような有力な反論を破ることができなかったため、携帯による発がん性の可能性を証明できずにいました。

The radiation given off by cell phones is fundamentally different than the ionizing kind known to cause cancer.
携帯電話から出る放射線は、ガンの原因となることで知られる電離性の放射線とは根本的に違うものだ。

(単語チェック)
frequency:周波数
 形容詞frequent(頻繁な)の名詞形なので、本来は「頻発」「頻度」ですが、電波や放射線の「周波数」や、物理学では「振動数」一般についてfrequencyを使います。
give off:発する、出す
ionize:イオン化する、電離する

一方、携帯電話業界も敏感に反応しました。

The CTIA, which represents the cell phone industry, said the study’s findings conflict with other medical evidence.
携帯電話の業界団体であるCTIA(米セルラー通信工業会)は、この研究結果は他の医学的な証拠と矛盾するとの見解を示した。

(単語チェック)
CTIA:米セルラー通信工業会
 Cellular Telecommunications & Internet Association の略で、1984年に設立された携帯電話などの通信業界団体。
conflict with:〜と矛盾する
 conflictは名詞・動詞同形で「衝突(する)」「対立(する)」「食い違い(食い違う)」といった意味で使われます。
 The drawings conflict with the specifications.
 図面が仕様書と食い違っている。

 The meeting with you is conflicting with my doctor’s appointment.
 あなたとのミーティングが医者の予約とぶつかっている。

CTIAが論拠とする他の証拠の1つは、携帯電話が使われ始めた1980年以降脳腫瘍が増えていないことです。また、2011年にデンマークで行われた研究で、1925年以降に生まれた35万8千人について調査したところ、携帯電話の使用と脳腫瘍との間には関係がなかったという報告にも言及して、携帯電話によるガン発症のリスクは小さいと主張しています。

今回の研究結果は従来まったく想定していなかった発見を含んでいます。そこで放射線とガンのリスクの関係に関する考え方に大きな変化をもたらすものだという見方もありますが、今のところ有力な見解は、この実験では必要以上に長時間、大量の放射線をラットに浴びさせたのではないかということです。そこで、ガンから自分を守りたいユーザーには、次のような対策がおすすめです。

People who are concerned about the cancer risk can take steps to reduce their exposure to radiation by using earbuds or blue-tooth devices, which put more distance between the phones and the brain,
ガンのリスクが心配な人は、携帯から出る放射線に当たる量を減らすようにした方がいい。イヤホン(earbuds)やbluetooth(ブルートゥース)機器を利用して、携帯電話と脳の間の距離を広くすることだ。

普通の携帯電話の使い方であればがんのリスクは限りなく小さいけれど、携帯のヘビーユーザーは要注意ということですね。

携帯電話もご利用は計画的に?

<関連サイト> スカイプ英会話を探すなら! | オンライン英会話比較360°

タイトルとURLをコピーしました