どんな場所でも成功する人というのは、そうそういません。なぜかといえば、それぞれの場所で求められているものが異なってくるからです。大手企業で出世する人と、芸術や文化の領域で大成を成す人とでは、それは歴然となってきますよね。
同じビジネスをしていく上でも、大手企業と、自分で会社を興して社会でのし上げていくために必要なものは、まるで異なります。それでは、いったい自分で会社を作る起業家にはどんな要素が必要なのでしょうか。
端的な言葉「Relentlessly Resourceful」には、理解を深めれば深めるほど、それが自立していく人たちにとって不可欠な要素であることが分かります。それでは、エッセイを読んでいきましょう。
(原文:http://www.paulgraham.com/relres.html)
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A couple days ago I finally got being a good startup founder down to two words: relentlessly resourceful. 数日前、ついに私は良いスタートアップ起業家の例を2つの言葉まで縮めました。「しなやかに、機転が利く」です。 Till then the best I'd managed was to get the opposite quality down to one: hapless. Most dictionaries say hapless means unlucky. それまで私は相反する言葉として考えていたのが「hapless」でした。多くの辞書では「hapless」を幸福ではないと示しています。 To be hapless is to be battered by circumstances—to let the world have its way with you, instead of having your way with the world. haplessとは囲まれている環境によって打ちのめされてしまうことですー世界が自分の味方ではなく、そうではない方向にまわってしまっているということなのです。
・relentlessly:容赦なく、絶え間なく
・resourceful:臨機応変、機知が利く
It's not hard to express the quality we're looking for in metaphors. 私たちが意図しているところを比喩で表現することは難しくありません。 The best is probably a running back. A good running back is not merely determined, but flexible as well. 最も良い例はランニングバックです。単に決定づけられているだけではなく、とても柔軟性があります。 They want to get downfield, but they adapt their plans on the fly. ダウンフィールドを狙っているものの、あくまで自分たちの計画に合わせながら進んでいきます。
・metaphors:比喩
・merely:単に(…すぎない)
アメリカンフットボールでは、ボディ同士をぶつけ合う体力勝負のようなイメージがつきまといがちですが、実は頭脳戦がメインなんです。ダウンフィールドへ向かうまでに、「オフェンスチーム」「ディフェンスチーム」など駆使しながら、勝利へと進ませていきます。状況に応じて、機転を利かせていかなければなりません。
That sounds right, but is it simply a description of how to be successful in general? I don't think so. 正しいように聞こえるものの、果たして一般的においてもそれが上手くいくでしょうか。そうは思いません。 This isn't the recipe for success in writing or painting, for example. In that kind of work the recipe is more to be actively curious. 例えば、これは執筆やペインティングでも成功する秘訣ではありません。そういった場合は、積極的でかつ好奇心が強いことになります。 Resourceful implies the obstacles are external, which they generally are in startups. But in writing and painting they're mostly internal; the obstacle is your own obtuseness. しなやかであることは障害が外にあることを意味します、一般的にスタートアップにいえることですが。しかし、執筆やペインティングではそれらはほとんど内にあるものです。障害とは、あなた自身の鈍感さであるのです。
・imply:暗示する、ほのめかす
・obstacle:障害物、弊害
・obtuseness:鈍感、理解が遅い
同じ目標達成を目指すとしても、芸術家と起業家ではまるで違います。粘り強く、それでいて状況判断ができなければ経営をしていくことはできません。この粘り強さと、機転を利かせるところを同時にやってのけるのは大変ですが、それが最も大切な要素となります。
You can even use it tactically. If I were running a startup, this would be the phrase I'd tape to the mirror. 戦術的にそれを使うことだってできます。もし、スタートアップを経営するのであれば、このフレージを鏡に貼っておきます。 "Make something people want" is the destination, but "Be relentlessly resourceful" is how you get there. 「人が欲しがるものを作る。」は目的であり、「しなやかで、かつ機転を利かせ。」はそこへ辿り着く方法なのです。
先天的に、この反応ができる人もいますが、もちろん教育して、この姿勢を身につけることができるとポールグレハムは書いています。もし、あなたが起業を考えていなかったとしても、どこまでも辛抱強く、どこかで機転を利かせることができるスタイルが必要となる場面は出てくるかもしれませんね。