チョコレートとチーズ、ワインと聞けば、ダイエットに悩むほとんどの人にとって朗報ではないでしょうか?しかし実はそう単純な話ではありませんが、誰でもできることがダイエットにも健康にもいいようです。
英語を学びながら、効果的なダイエットと健康について読んで行きましょう。(英文は、”Want to to lose weight? Try eating chocolate and drinking wine” Independent 2016/4/13)
It might seem like the last thing you should do, but now anyone trying to lose weight should consider eating more chocolate and cheese and drinking more wine.
体重を減らそうと思っている人にとって最もしてはいけないことのように思えるかもしれないが、今よりもっとチョコレートとチーズを食べ、ワインを飲むことを試してみるといい。
◆ the last〜:最も起こりそうも(ありそうも)ない、望ましくない
文字どおり「最後の〜」から「ありそうもない」という意味になった、否定の慣用表現です。
He would be the last man to deceive other people.(彼は絶対に他人をだますような人ではないだろう。) You are the last person I expected to see here.(まさかここであなたに会うとは思わなかった。) Violation of the rights of others is the last thing he could do.(他人の権利を侵害するようなことを、彼がするはずがない。)
なお、He was the last man to come.「彼は最後に来た」という文は形の上では最初の文と変わりませんが、意味は「最後」の方になります。このあたりの判断は文のつながりにもよりますが、He would be the last manのwouldのような仮定の表現があると「ありそうもない」の意味ではないかと見当をつけることができます。
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☆忘れられている「大切なこと」とは?
今回ご紹介するのはイギリスのキングス・カレッジでの研究成果ですが、イギリス人のダイエット成功率はとんでもなく低いのだそうです。
Now, a scientist at King’s College London has said that the lack of success in losing weight is due to our ignoring one key factor: the microbes in the gut.
ロンドンのキングス・カレッジの研究者によれば、体重を減らすことに成功しない理由は、1つの重要な要因である腸内細菌のことを考えていないためだ。
・microbe:細菌、微生物
関連語にmicrobiotic(短命の)がありますが、この反対がmacrobiotic(長寿の、長命の)で、最近はやりの「マクロビ」はこちらですね。
・gut:(胃)腸
人間の体内にいる細菌の数は、細胞の数の10倍にも及ぶそうですが、腸内細菌の力を活用することが、ダイエットに高い効果を発揮します。
☆ カロリーコントロールが失敗する理由
ダイエットというと、まず摂取するカロリーの量を食事制限などによって減らすことを考えますが、カロリーコントロール自体が、ダイエットにあまり効果が気合できません。
Calorie control on its own is unlikely to work, because studies show that calories from one type of food will have a completely different effect on weight than calories from another.
カロリーコントロール自体、効果が期待しにくいものだ。研究によればその理由は、食物を摂取することによって生じるカロリーが体重にどんな影響をおよぼすかは、食物の種類によって全く違うからだ。
・on its own:それ自体で
(注意)この文の2行目から、completely different … than という部分があります。本来ならthanでなくfrom(A is different from B)になるべきですが、この文ではAとBに相当する部分が calories from one type of foodとcalories from anotherで、両方ともfromを含んでいて、この2つをfromでつなぐと紛らわしいためにthanを使っているということです。
実際にはこういう場合でなくても、まれにthanを使うことはありますが、特に学生の方が試験でthanを使うと確実に減点されますのでご注意を。
また、カロリーコントロールのために炭水化物(carbohydrates)や脂肪(fats)といった特定の種類の食物を避けるのはダイットには逆効果で、逆に体重が増えるか、健康を害することになります。食物が偏ると腸内細菌の種類が減ってしまうためです。
☆ 正しいダイエットとは?
The best thing you can do is eat food that promotes the reproduction and growth of good bacteria in the gut.
我々ができる最も良い方法は、腸内の良いバクテリアを再生産したり増やしたりするのを助ける食物を摂ることだ。
・reproduction:再生産
いよいよここでチョコレートの登場です。言うまでもなくチーズは細菌の宝庫のような食べ物ですが、チョコレートやワイン、コーヒーといった食物も腸内細菌の種類を増やしてくれるのです。
All three of these contain polyphenols: anti-oxidants which feed the microbes in the gut and allow them to reproduce.
これら3種類の食品はポリフェノールと抗酸化物質を含んでいて、これらが腸内細菌の栄養となって再生産を助けるからだ。
・polyphenol:ポリフェノール
・anti-oxidant:抗酸化物質、酸化(老化)防止剤
・feed:〜に食物を与える、養う
たしかに赤ワインのポリフェノールが持つ効果というのは、かなり紹介されているのでご存じの方も多いでしょう。ワインとチョコレートに含まれるポリフェノールの種類はフラボノイド(flavonoids)で、これは抗炎症性(anti-inflammatory)かつ抗酸化性なので特に良いようです。
Flavanoids can also be found in olives and nuts, but “gram for gram, cocoa has the highest concetration of polyphenols and flavonoids of any food”.
フラボノイドはオリーブやナッツにも含まれるが、同じ重量で比較するとカカオ豆は食品の中で最も高濃度のポリフェノールとフラボノイドを含んでいる。
・gram for gram:同じ重量で比較すると
pound for poundの方がよく使われています。
・cocoa:ここでは「カカオ豆」のこと
・concentration:濃度
さあ、これでチョコレートのダイエット効果がわかりましたね。でも早とちりは禁物です。
Unfortunately, having a glass of wine, a chunk of camembert and an entire family-sized bar of chocolate for dinner every night is not the way to go.
残念なことに、毎晩食事のたびに、ワインとカマンベールチーズのかたまり、それに一家で食べられるほどのチョコレートバーというのはおすすめしない。
・chunk:塊(かたまり)
・the way to go:やるべきこと
大切なのは腸内細菌の種類を増やすことで、そのためにはなるべく多くの種類の食物を摂ることです。ジャンクフードがダメなのは、カロリーが高いからではなく栄養素の種類が少ないからだということです。
正しいダイエット、これでわかりましたか?