ビジネス現場ではたいていの場合、チームで知恵を出し合って協力して目標を達成します。そのために限られた時間を割いて集まる会議は、ムダなく実り多いものにする必要がありますが、そこは議長の会議進行にかかってきます。
最近は、グループの活動が容易にできるように支援し、うまくことが運ぶように舵取りするファシリテーション(facilitation)の重要性が注目されています。議長はchairmanと言いますが、職場での会議をうまく運ぶためのファシリテーター(facilitator)として議長が機能するために、会議の進行で使う英語のフレーズを見てみましょう。
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1.意見を求める
議論を活発にするために、議長は都度参加者の意見を求めるようにします。議題に入る前に参加者全員に積極的な参加を求める他、進行中に発言が少ないと思った時にさらに積極的に発言するよう促すこともあります。
I’d like everyone to speak today.
今日は全員に意見を言ってほしいと思います。
Who would like to speak first?
どなたから最初に発言をいただけますか?
Please come out with ideas when you have them.
アイデアがあったらすぐ言って下さい。
come out with:〜を口に出す
Mr. Suzuki, what do you think?
鈴木さん、どう思いますか?
個別の出席者に意見を求める時の表現。
Let’s all speak one at a time.
1人ずつ話すようにしましょう。
意見が出ないので順番に指名して発言してもらう前に。
例1
A: Our objective is to decide which product to choose. I’d like everyone to speak today.
A(議長): 今日の会議の目的は製品の選定です。今日は全員に意見を言ってほしいと思います。
2.賛否を問う
議論の中で、提案や計画に対する意見や質問が続いた場合に会議の進行が前後しないようにする必要があります。適当なタイミングで出席者の賛否を問うことで、進行を効率的にすることができます。
Does everyone agree on this issue?
皆さんこの点には賛成ですか?
issue:問題、論点
Who is for this plan?
この計画に賛成の方は?
for:賛成で
(「反対で」はagainst)
Who doesn’t think we should 〜?
〜すべきでないと思う方はいますか?
Are you against the idea of 〜?
〜という考えに反対ですか?
例1
A: Some of you think we need to revise the plan A, right?
B: That’s right.
A: Does everyone agree on this issue?
A: 計画Aは修正が必要だと思う方がいますね?
B: はい。
A: この点について皆さん賛成ですか?
例2
A: We should give a presentation, not a seminar.
B: Are you against the idea of giving a presentation, Mr. Tanaka?
A: セミナーではなくプレゼンをすべきだと思います。
B: 田中さんはプレゼンをすべきという考えに反対ですか?
提案を求める
多くの参加者が積極的に提案すると会議は活発になります。そのための機会を上手に与えるのも議長のしごとです。提案(suggestion)を求めるいくつかの表現のパターンを見てみましょう。
I’d like to hear all of your ideas on this matter.
この件に関する皆さんのアイデアを全てお聞きしたいと思います。
Does anyone have another idea?
他にどなたかご意見はありますか?
Any other ideas?
他に何かご意見は?
Does anyone have any suggestions?
何か提案のある方はいますか?
Mr. Yamamoto, we haven’t heard from you yet.
山本さん、まだあなたのご意見をうかがっていません。
例1
A: Does anyone have any suggestions?
B: I think we should examine the cost again.
A: 何か提案のある方はいますか?
B: コストをもう一度検証する必要があると思います。
例2
A: I suggest we ask B Company if they reduce the price.
B: Any other ideas?
A: B社に値下げできないか聞いた方がいいと思います。
B: 他になにかご意見は?
割り込み発言を制止する・続けさせる
会議の最中には、割り込み発言もあります。こういう時には本来の発言順序を大事にしながら、場合によっては議長の判断でそれを活かすこともあります。割り込みへ制止・許可の表現も覚えておきましょう。
Could you hold your comments for just a moment?
発言はしばらくお待ちください。
Could you wait? You’ll have a chance to speak later.
お待ちください。後で発言していただきますので。
Feel free to speak whenever you like.
いつでも遠慮なく話してください。
feel free to:遠慮なく〜する
Please carry on.
続けてください。
carry on:続ける
It’s no problem. Everyone is welcome to speak today.
かまいません。今日はぜひ皆さんが発言してください。
例1
A: Sorry for interrupting.
B: Could you hold your comments for just a moment?
A: 割り込んですみませんが。
B: 発言はしばらくお待ちいただけますか?
例2
A: May I interrupt?
B: It’s no problem. Please carry on.
A: ちょっといいですか?
B: かまいません。続けて下さい。
ファシリテーターとしての議長は、参加者が自由に発言できるような雰囲気を作るのが仕事です。そのために、役職の上下に関わらずアイデアをどんどん出してもらうという姿勢で会議を進めましょう。
また、進行では参加者に適切に(個別も含めて)問いかける形で、参加者の意見やアイデアを活性化させましょう。その際問題の流れと方向性を失わないことと、会議が行き詰まった時に打開する努力も必要ですね。
そして、活発な意見で議論が拡散した状態を、意見を取捨選択して収束させる舵取りも行なわなければなりません。もちろん予定の時間内に会議を終わらせるということも大事な仕事です。
今回ご紹介した表現を活用して、英語の会議でも良いファシリテーターを目指してください。