「英語がうまくなったなぁ」と思う瞬間

上達法
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みなさん英語学習歴は何年ですか? 筆者は中1から数えて、25年は経ちます。「読む/書く/聞く/話す」の4技能のうち、特に語学センスが問われるのはなんといっても「話す」だと思います。筆者の長い学習歴の中でも一番後手にまわしてしまった「話す」技能ですが、なにが難しかったかというと、読んでわかる表現でも自分の口で同じ言い回しをしようとするとなかなか出てこなかったことです。同じく、聞けるが同じ言い回しができない、書けるが同じ言い回しができない、といったことがありました。自分でそれらを使いこなす側になれないんです。つまりインプットとアウトプットの表現バリエーションに大きな差があるということです。
 ところが、そのうちいくつかについては「自分の口でもすらすら言えるようになった」と、しかと実感できるようになりました。個人的な視点なので偏りはあると思いますが、筆者が「英語がうまく話せるようになった」と感じるポイントをいくつかこちらにご紹介したいと思います。

実感その①「these」や「those」を使えるようになった

当たり前ですが、these と those はそれぞれ複数形です。日常のあらゆる”複数のもの”を指すのに頻繁に使われるべき語です。それでも、不思議と頻繁に使っていたのは this や it、それに all や some/any ばかりだったと思います。それでまあほとんどの場合を乗り切ることができたからですけれども、正確には these か those を使うのがふさわしい場面もありました。
明らかに「What are these?」と尋ねるべきときも、すぐに口をついて出るのは「What’s this?」「What’s that?」なんですよね。そのうち、1秒置いてからなら「What are these?」「What are these ones?」と言えるようになりました。繰り返すうちに、今では瞬時に言えるようになりました。そういえば they に頼ってしまうこともめっきり減りましたね。
もう少し慣れてきたころ、さらに theseとthoseのニュアンスにしたがって使い分けることができるようになったと思います。それでも、知れば知るほど奥深いと思いますし、まだまだ those には苦手意識があるのも事実です。

実感その② 主語itを省略できるようになった

これは、特にネイティブっぽく聞こえるので、自分の中では大きな進歩だと思っています。英会話のテキストやラジオ放送においては it の省略はよく見られるものの、いざ自分が省略してみようとなるとちょっと勇気が要ります。いくつか必勝パターンとも言えるテッパンの表現を持っておくことで気持ちのゆとりが生まれ、ほかにも応用ができるものです。
【例】

Doesn’t matter. (問題ありません)
Could be. (そうかもしれませんね)
Sounds like a big deal! (すごいことじゃないですか!)
Looks like rain. (雨になりそうですね)
Depends on the situation. (状況によります)

実感その③ 過去形の助動詞を使えるようになった

過去形の助動詞とは、たとえば will の過去形 would、can の過去形 could、shall の過去形 should、may の過去形 might ですね。会話の中に適度に織り交ぜることで、本来伝えたかったニュアンスをきちんと伝えられて便利だなあと思います。
このうちshouldだけは「~しなければならない」という意味で昔から多用していましたが、あまりに強い言い方なので、そのことに気づいてからはむしろ全然使わなくなりました。「You should ~」なんて言い方をしたら、打ち解けた間柄でない限り相手は気を悪くしてしまうかもしれませんね。代わりに「You’re supposed to ~」と言うようにしています。これなら押しつけがましくありません。今、筆者があえて should を使うとしたら、お客さんにメール文末で「もしご質問があれば」という意味の「Should you have any inquiry, …」のような定型文ぐらいです。
さあ、ほかの過去形の助動詞に注目してみるとどうでしょう。婉曲表現に使える wouldmight が実際に会話においてとても有用であることに気づかされます。たとえば That might be the best choice for you! (それがあなたにとって最善なんじゃないでしょうか)と表現すれば、That’s the best choice for you!(それはあなたにとって最善です)と言い切るよりもずいぶんとマイルドに聞こえます。ビジネスにおいては、リスクを回避することにもつながります。断定を避けてばかりだと責任転嫁のようにとられかねませんから、使うべきときにしっかり使うのが大事でしょう。

実感その④ 付加疑問文を使えるようになった

 文法書に出てきた「付加疑問文」という言葉を覚えていますか? いわゆる文末につける、「~, isn’t it?」「~, didn’t you?」のようなものですね。話すのが苦手だったころの筆者は、これをすべて「~, right?」と文末につける1パターンで乗り切っていました。なぜなら、適切な助動詞を選んで話さないと付加疑問文として正しくないからです。このパズルゲーム的なところが面倒くさく、自前の表現バリエーションとしては一切出てきませんでした。
たとえば You played tennis today, didn’t you?(今日あなた、テニスしたでしょう?)という一文ですが、played という一般動詞の過去形に対応させるため文末は「didn’t you?」でないといけません。「don’t you?」ではだめなのです。もう少し複雑になると、You haven’t got divorced yet, have you?(あなたまだ離婚はしていないんでしょう?)のように、先の内容で not が使われているならば付加疑問文のほうではnotを入れてはいけない、なんて頭を巡らせないといけないのです。
機械的に付加疑問文は作れるので、学生時代の文法テストのときに間違えたことのある人は比較的少ないとは思いますが、これを話すスピードで間違いなく処理していくのはやはり慣れが必要ですね。

実感その⑤ あいづちが自然になった

 かつての筆者は恥ずかしいことに、相手の話を聞くときは次の3パターンで乗り切っていました。(1)うなずく、(2)「Ah-huh」と言う、(3)「Really?」と言う。今思い出しても恥ずかしい限りです。大学生ぐらいまで、こんな感じだったかと思います。
 今は相手が「This is spicy.」(これは辛いです)と言えば「Oh, is it?」(そうなんですか?)と瞬時に返せるようになりました。またさきほどの応用で、「These are spicy.」と言われれば「Oh, are they?」と出てくるようにもなりました。「呼応」が瞬時にできるようになったというか、瞬発力が上がったというか、とにかく場数を踏んだからこそ鍛えられたと思います。
つい先日も、ある友人が「Listen, I’m pregnant.」(聞いてよ、妊娠したの)と言ったときには、「Oh, are you? Congratulations!」(そうなの? おめでとう!)と返すことができました。「Really?」の一辺倒でない”返し”は、自分でも特に実感できた上達ポイントだと思います。
ほかに、相手の意見に大賛成のときには「Can’t agree more!」(これ以上賛成のしようがないくらい賛成です)などの定型表現もすんなり出てくるようになりましたし、「Oh, never heard of it.」(えっ聞いたことがないですが)のように率直な反応もコンマ1秒で出るようになりました。インプット量と、インプットの頻度を上げていけば、いつしか表現は自分のものになるんだなと感じました。

いかがでしたでしょうか。共感していただけるものが1つでもありましたか? はじめは典型的な日本人学習者だった筆者は、「話す」ことに大きなコンプレックスを抱いていました。それでも学ぶことをやめなければ、日進月歩でゆるやかに成長します。本記事がみなさんの励みとなれば幸いです。

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