辞書は知らない単語を調べるだけのもの、ではありませんよ。英英辞書をユニークな視点で活用すれば、新たな1単語を学ぶと同時に他の英単語も学ぶことができるのです。英英辞書を教材にした英語学習は、まさに究極のインプット。今回はスラング特化型英英辞書で英語学習をしましょう。
英英辞書で英語学習するってどういうこと?
英語学習に英英辞書は活用していますか?中級以上のレベルからは、ぜひ英英辞書で単語を調べてみてください。単語の意味はもちろん、ニュアンスや英語を英語で考える癖がつきますよ。今回紹介する英英辞書の学習法は、単語を調べるだけにとどまりません。まずは、以下の英語を見てください。
Stare to look for a long time with the eyes wide open, especially when surprised, frightened, or thinking
参考:the Cambridge Dictionary
これはthe Cambridge Dictionaryという無料の英英辞書でStareを調べたときに出てくる文章です。Stareの意味が英語で説明されていますが、すべてわかりますか?そして、英語の説明文を読んでStareの意味を予測できるでしょうか?Stareの意味は「ジッと見る」や「ギョッと見る」、そして説明文は以下の通り。
ジッと見る
目を見開いて長い間見ること、特に驚いたとき、おびえたとき、もしくは考えているとき
【単語解説】
・for a long time – 長い間
・with eyes wide open – 目を見開いて
・frightened – おびえて、怖がって
このように英英辞書の説明文から単語のインプットができます。さらに、知っている情報から意味を推測する力も伸ばすことができるのです。英語を話すうえでは推測力が重要。長年、しっかりと勉強しても知っている単語数よりも知らない単語数の方が多いです。つまり知らない単語に遭遇したとき、理解をあきらめるのではなく、文脈から意味を推測することが重要です。その推測する力を英英辞書で伸ばすことができます。
Urban Dictionaryとは?
今回使用する英英辞書がUrban Dictionaryです。Urban Dictionaryとは、スラングに特化した辞書。最大の特徴は、ユーザーが単語の定義をする点でしょう。1999年に創立されたUrban Dictionary、もともとはDictionary.comとVacabulary.comのパロディだったそうです。
Urban Dictionaryは単語の定義ももちろんですが、例文も面白いです。しかし、注意点が1つ。Urban Dictionaryにのっている単語のほとんどはスラングで、日常生活で使用するべきではないものも多々あります。そのため、使用シチュエーションには十分に注意してください。
Urban Dictionaryで英語学習
1.Carpin all those diems
この熟語は有名なので知っている方も多いのではないでしょうか?英語の説明文は以下の通りです。
Making the most of your time 時間を作ること
Carpin all those diemsの意味は「その日を摘め」。今この瞬間を楽しむ、今という時を思う存分味わうといたニュアンスがあります。
2.Yeah but still
誰でも知っている3単語で組み合わされた熟語。これは日常会話でよく使われるので、ぜひ覚えておきましょう。英語の説明文は以下の通り。
The worst way to win an argument, used when one has been proven wrong but somehow is able to reject all arguments and win. 口論に勝つ最悪の方法、誰かが間違っていると証明されたがすべての口論を拒絶し勝つときに使用される
【単語解説】
・argument – 口論
・prove – 証明する
・reject – 拒絶する
訳すとすれば「そうだけど、それでもさ」でしょうか。簡単なうえに使えるので覚えておきましょう。
3.That’s a neck
これは英語ならではの表現です。上手く日本語に訳すことができません。そのため、英語で理解して、こんな時に使うんだあと認識しましょう。
when someone says something totally wrong or really stupid you slap their neck and say thats a neck! 誰かが完全に間違ったことを言ったとき、もしくはバカなことを言ったときに、その人の首を叩いて”That’s a neck”と言う。
【単語解説】
・totally – すごく、まったく
・slap – はたく、ひっぱたく
つまり、友人などがバカなことをいたっときに、首を叩いてThat’s a neckと言えばいいということですね。あんまり使わない方がいいですが、ネイティブに使われる可能性もあるので知っておきましょう。
4.Pupper necking
Urban Dictionaryならではの熟語です。他の英英辞書で検索しても意味は出てきません。つまり、伝わる人は少ないので使用は止めておきましょう。
The act of slowing down traffic to look at a cute dog. 可愛い犬を見るために通行スピードを遅くする行動
【単語解説】
・act – 行動、行為
・slow down – ゆるめる
・traffic – 通行、交通
これは例文も面白く、リアル感もあるので紹介します。
Guy: “Why is this guy in front of me going so damn slow?!” Girl: “He must be pupper necking, look at that adorable doggo on the sidewalk!” 男「なんで俺の前にいるこの男は、こんなにゆっくりと歩いてるんだ!?」 女「彼はPupper neckingをしてるのよ、観てよ歩道にいる可愛らしい犬ちゃんを!」
例文を見ると、実生活でも使えそうですよね。また例文のリアリティもUrban Dictionaryの魅力です。実用性があると思った例文は、丸暗記しましょう。
5.Hot Potato
直訳すると「熱いジャガイモ」。もちろんこの意味で使われることもありますが、突然Hot Potatoと出てきても意味が分かりませんよね。実はHot Potatoには重要な意味があるのです。
a difficult problem that nobody wants to be associated with 誰も関わりたくない難しい問題
【単語解説】
・nobody – 誰も
・be associated with – 関わる、関係する
つまりHot potatoは「厄介な問題」という意味です。よく使われるので、この機会に覚えておきましょう。
まとめ
Urban Dictionaryは面白英英辞書という位置づけで、正統派なものではありません。しかし、普通に見ているだけでも英語の勉強になります。何より例文や単語の意味が下らなくて思わず笑っちゃいます。ぜひUrban Dictionaryを英語学習に取り入れてみてください。