【意外かも】最強の英語学習ツールはラップ

英語学習に音楽はもはや欠かせないものとなっています。学校の授業でも洋楽を使って英語を学び、多くの英語学習サイトでも洋楽で英語を学ぶ重要性とその効果について説明をしています。実際に洋楽を使って英語学習を行うことはとても重要です。

おそらく多くの方が洋楽を使って英語学習をしたことがあると思います。今までにどの曲を使って英語学習をしてきましたか？昔からの定番はビートルズやカーペンターズ、最近だとテイラー・スウィフトやアデル、そしてジャスティン・ビーバーなどが人気ですよね。

多くの方が洋楽を使った英語学習を行う際にはポップミュージックやロックミュージックを選ぶと思います。実際に英語学習法の記事でもそれほどテンポが速くない人気曲が紹介されています。

では今までにラップを使って英語学習を行ったことはありますか？ほとんど多くの方がないと思います。実はラップこそ英語学習をする際に使用するべきなのです。今回はラップが持つ英語学習の可能性について大紹介いたします。

ラップを使った英語学習を行うべき理由
何故ラップは避けられているのか？
ラップを使った英語学習法
オススメのラッパー
まとめ

ラップを使った英語学習を行うべき理由

実際に会話で使われる発音ばかり

ラッパー英語の発音はポップシンガーなどと比べるとより話し英語に近いです。例えば” ~ING “ は「イング」と発音されますよね。もちろんこれは正しい発音の仕方です。

しかしラップではこれを「イン」と発音されることが多々あります。つまり” G “ の発音はしません。これはネイティブ同士の会話でもよく起きます。ネイティブはこの” G “ を発音しない、もしくは”I “ と“ G “までも発音しないことがあるのです。これは参考書やポップミュージックなどからは学べませんよね。

フォーマルからインフォーマルな英語、そしてスラングまですべて学べる

フォーマルからインフォーマルな英語、そしてスラングまで学べることができます。英語学習ラップは、英会話ラップ学習において非常に多岐にわたる表現をカバーしています。

ビジネスシーンや公的な場で使用されるフォーマルな英語も含まれているため、ビジネス英会話や公的な場でのコミュニケーション能力を高めることができます。

また、ラップは日常会話でよく使われるインフォーマルな表現が豊富です。友達とのカジュアルな会話や日常生活でのコミュニケーションに役立ちます。英会話ラップ学習を通じて、自然な会話を楽しむことができるようになります。

さらに、ラップは現代の若者文化と密接に関連しており、最新のスラングや俗語を学ぶ絶好の機会です。英語学習ラップを通じて、現地の人々とのコミュニケーションがスムーズになり、より深い理解とつながりを築くことができます。

ラップはただの言葉の集まりではなく、文化や社会の側面を反映しており、恋愛から社会問題まで様々なテーマを扱います。英会話ラップ学習を通じて、英語圏の文化や価値観を学び、実際の生活で使える実用的な英語スキルが身につくことができます。

ラップは深い

ラップというと少し怖そうな人たちが暴力やドラッグについて歌っているというイメージがあるかと思いますが、そんなことはありません。

ラップはある意味ポエム、芸術なのです。ラップを制作する際にはいくつかの厳しいルールを守る必要があります。そのためポップやロックのようになかなか素直な気持ちを表現することができません。

そこでラッパーは暗喩やシンボルなどを見事に使いつつ韻を踏む・ラップ特有のリズムを保っているのです。実際にラッパーは高学歴が多いです。歌詞を学んでいるとその深さに気付くでしょう。

イントネーションが学べる

ラッパーは早口で歌を歌っていますよね。実はそれを行うにはかなりの技術が必要なのです。彼らは早口で歌いながらもリスナーが聞き取れるはっきりとした英語を喋っています。

早口ながらもはっきりと聞き取れる英語を喋る時に重要なのがイントネーションです。特にラップは日本語にはない英語特有のイントネーションを学ぶのに最適です。

強弱をつける場所、長く発音する場所、短く発音する場所、そして息継ぎを行う場所など英語のイントネーションは全てラップで学ぶことができます。

読み書きの能力が高まる

ラップには強いメッセージ性があります。一度ラップを聞いていただくとわかりやすいと思いますが、意味は理解できなくても何か強いメッセージ性を歌手が訴えていることは感じることができるはずです。

それはラッパーが強い感情を伴って歌っているからです。音楽と言語が持つ絶対に欠かせない共通点は、どちらも感情を表現してメッセージを伝えるということです。

メッセージがない音楽は心がない言葉みたいなものです。ラップの感情の伴い方はポップやロックよりも強いです。そんな魂がこもった歌詞を使って学習を行うと読み書きの能力が向上します。

さらに書く力も向上します。第二言語で自分を表現することはとても難しいですよね。しかしラップから自分の思いなどについての表現の仕方を学ぶことができます。

何故ならラップは強い感情が伴ったものだからです。社会への不満、欲望、夢、怒り、そして喜びなどがラップにはつまっています。感情を爆発させたセリフ・フレーズをそのまま覚えて使ってみることはライティング力の向上につながります。

そしてある程度英語力がついたら自分でラップのような歌詞を作ってみるのがライティング向上の一番の近道です。ラップはとても綿密に作られたもので、知的なものです。韻を意識しながら単語を選びつつ、伝えたいメッセージをメタファーやシンボルを使って伝えることはかなり難しいです。

カルチャーを学べる

ラップは単なる音楽ではなく、文化的背景や社会的なテーマ性が反映された芸術形式です。ラップが扱っている内容は歴史、社会に対する考え方や不満など現代の文化を絡めた歌詞が多いため、英会話ラップ学習を通じて、英語を学ぶだけではなく英語圏の文化をも学ぶことができます。

恋愛から社会問題まで、多岐にわたるテーマ性を扱う英語学習ラップは、実際の生活で使われるリアルな英語を学ぶことができるため、英会話ラップ学習は実用的なスキルが身につく素晴らしい方法です。英語学習ラップは、言語学習だけでなく、より広い視野からの学びを提供し、英語圏の文化や価値観、歴史についても深く理解することができるツールとなっています。

何故ラップは避けられているのか？

「ラップでの英語学習」は一般的ではないかもしれませんが、実は非常に効果的な学習手法です。では、なぜ多くの人々が「ラップ英語学習」を避けるのでしょうか？

速さの壁

ラップはその速いテンポで知られており、初めて聞く人にとっては聞き取りづらいと感じることがあります。しかし、この速さは慣れの問題で、何度も聞くことで耳が慣れ、理解が深まります。速いテンポは、実際の会話でのリスニング力を高める効果もあります。

ポップやロックとの違い

ラップはポップやロックとは異なるリズムと韻律を持っています。これが新しいリスナーには戸惑いを感じさせることがあるのです。しかし、ラップのリズムに慣れると、英語のイントネーションや強弱を学ぶ絶好の機会になります。これは通常の教材では学びづらい部分です。

ラップのイメージ

一部の人々には、ラップが暴力的な内容を扱うジャンルだという誤解があります。しかし、ラップには多岐にわたるテーマ性があり、社会的なメッセージを伝える力強い手段でもあります。ラップは表現の自由と創造性を高める素晴らしいツールです。

ラップの学習効果

ラップは速いテンポや複雑なリズムが特徴で、初心者には取り組みづらいと感じられることが多いです。また、スラングや俗語が多用されるため、標準的な英語学習とは異なるアプローチが求められることもあります。

しかし、これらの挑戦を乗り越えることで、ラップは単語の選び方、韻を踏む技術、メタファーやシンボルの使用など、言語表現の豊かさを学ぶのに最適なツールとなります。リアルな英語を学ぶことができるため、実際のコミュニケーションでの応用が容易になります。

ラップと文化

ラップは英語圏の特定の文化やコミュニティから生まれた音楽ジャンルであるため、その背後にある文化や価値観、歴史を理解しないと、歌詞の真の意味やメッセージが掴みづらいことがあります。特に、社会的な問題に対する強いメッセージが込められることが多いラップは、異文化の学習者にとっては感じることが難しい部分もあるかもしれません。

しかし、この文化的な障壁を乗り越えることで、ラップは英語圏の文化や歴史、社会に対する考え方を反映している貴重な学習素材となります。ラップを通じて、言語だけでなく、文化的な理解も深まり、異文化間コミュニケーションのスキルを高めることができます。

ラップには他の音楽ジャンルにはない魅力と効果があります。速さの壁を越え、慣れることで、「ラップ英語学習」は英語のリスニング、発音、語彙、文化理解など、多岐にわたるスキルの向上に寄与します。この新しいアプローチを試してみる価値は十分にあるでしょう。

ラップを使った英語学習法

ラップを使った英語学習法は、英会話ラップの楽しさを取り入れた新しいアプローチです。ポップやロックミュージックと同じように楽しめるだけでなく、英語学習ラップには特有の学び方があります。

歌詞全部を学ぶ必要はない

ラップを使った英語学習では、歌詞全部を学ぶ必要はありません。ラップの歌詞は通常、ポップやロックよりも多いため、全てを学ぼうとすると時間がかかることが一般的です。

しかし、3~4行の部分でも十分な学びが得られるため、重点的に学びたい箇所を選ぶことがおすすめです。部分的な学習は、効率的で目的に応じた学びが可能で、学習のプレッシャーを減らし、楽しみながら英語を学ぶことができます。

単語の意味だけではなく発音の仕方にも注目

ラップを使った英語学習では、単語の意味だけでなく、発音の仕方にも特に注目する必要があります。ラップでは、一般的な発音とは異なる独特の発音がよく用いられるためです。

例えば、”ING”が「イン」と発音されること、”Them”が”EM”となっていたり、”You”が「Ya」になることがあります。また、”Going to”が「Gonna」に省略されたり、”Want to”が「Wanna」になることも一般的です。

さらに、ラップでは、強いアクセントやスラング、地域特有の方言が使われることもあります。このような特徴的な発音は、ラップの歌詞を通じて確認できるため、歌詞の分析は学習において必須となります。

息継ぎしているところに注目

ラッパーが息継ぎをしているところにも注目です。ラッパーが息継ぎをする場所は、基本的に文節や文の終わりであり、その部分に注意を払うことで、英語の文法構造がより明確に理解できます。

例えば、歌詞を見ながらラッパーが息継ぎをしているところにスラッシュ線を引いてみると、文の構造やリズムが一目瞭然になります。このように息継ぎのタイミングを分析することで、英語の自然なリズムや強弱、イントネーションを掴むことができるため、英語の発音や流暢さを向上させる助けとなります。

また、ラップの速さとリズムに合わせて正しいタイミングで息継ぎをする訓練は、発話の自然な流れを身につける上で非常に効果的です。

学習している部分を歌えるようにする

学習している部分を実際に歌えるようにすることは非常に重要なステップです。このアプローチによって、単に単語や文法を覚えるだけでなく、イントネーションや強弱のつけ方、発音などの実践的なスキルを身につけることができます。

最初は難しいかもしれませんが、ラップのリズムに合わせて歌うことで、英語の自然なリズム感を感じ取り、より流暢に話す能力を高めることができます。

何より、洋楽のラップを歌えるようになると、自分自身の英語能力への自信がつき、学習のモチベーションも向上します。

オススメのラッパー

EMINEM

エミネム（本名：マーシャル・ブルース・マザーズ3世、1972年10月17日生まれ）は、アメリカ合衆国のヒップホップMC、プロデューサー、俳優です。彼のステージネームは、本名のイニシャル「M&M」から来ており、別名として「スリム・シェイディ」も知られています。彼は全世界で2億2000万以上のアルバム＆シングルを販売し、史上最も売れた男性ラッパーとなっています。

エミネムの有名エピソード

私生活の波乱: 学生時代からの付き合いであったキンバリー・スコットとの間に娘が生まれ、結婚と離婚を繰り返す。

友人の死: D12のメンバーであったプルーフが銃撃事件で死亡。エミネムは彼の死に深く打ちのめされた。

薬物依存症: 睡眠薬の過度服用及び依存症治療のための入院があり、精神病院に強制入院されたことも。

映画出演: 2002年に半自伝的映画「8 Mile」に主演し、主題歌でアカデミー賞を受賞。

エミネムの音楽は彼の人生経験から大きく影響を受けており、その歌詞には彼自身の感情や考えが織り交ぜられています。彼の音楽と人生のストーリーは、多くのファンに共感とインスピレーションを提供しています。

50 Cent

50セント（本名：Curtis James Jackson III、1975年7月6日生まれ）は、アメリカ合衆国のヒップホップMC、俳優、企業家、エグゼクティブプロデューサー、プロボクシングプロモーターです。彼はニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区ジャマイカ地区出身で、左利きです。彼のMCネームは、実在のギャング、ケルビン“50セント”マーティンに由来します。

50セントの有名エピソード

母親の死と育ち: 50セントの母親はドラッグディーラーで、彼が8歳の時に殺害されました。父親はおらず、その後は祖父母に育てられました。

銃撃事件: 2000年に祖母宅前で9発の銃弾を被弾する銃撃事件に巻き込まれました。この事件で顔にも銃撃を受け、声質が変わりました。

音楽キャリア: 2003年にリリースした1stアルバム『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』が大ヒットし、1100万枚ものセールスを記録しました。その後も多くのヒット曲とアルバムを発表しています。

ビジネスとプロモーション: 50セントはプロボクシングプロモーターとしても活動しており、SMSプロモーションズという会社を設立していましたが、2015年に自己破産しました。

彼の音楽とビジネスの世界での成功は、彼の困難な背景からの壮絶な転身を象徴しています。彼の人生とキャリアは、多くの人々に影響を与え、インスピレーションを提供しています。

Dr. Dre

ドクター・ドレー（本名：アンドレ・ロメル・ヤング、1965年2月18日生まれ）は、アメリカ合衆国の音楽プロデューサー、ラッパー、実業家、俳優です。彼は西海岸ヒップホップシーンの先駆者であり、N.W.Aのメンバーとしても知られています。彼のプロデュースしたアルバムは数多くのヒットを記録し、彼自身も成功したソロキャリアを築いています。

ドクター・ドレーの有名エピソード

N.W.Aのメンバー: Dr. Dreは、アイス・キューブ、Eazy-Eと共に、ヒップホップグループN.W.Aの創設メンバーでした。彼らはギャングスタ・ラップの先駆者とされています。

プロデューサーとしての成功: Dr. Dreはエミネム、50セントなどのアーティストを発掘し、プロデュースしました。彼のプロデュースするアルバムは、多くのヒットを記録しています。

ビジネスマンとしての成功: 彼はヘッドフォンブランド「Beats by Dr. Dre」を共同創設しました。2014年にAppleに買収され、彼の資産は大幅に増加しました。

個人的な問題: 過去には女性に対する暴力の告発があり、彼のイメージに傷をつけることとなりました。

Dr. Dreは、ヒップホップのプロデューサーとしての成功と、ビジネスマンとしての手腕で、音楽業界における重要な人物となっています。彼の影響は、今日のヒップホップシーンにも色濃く残っています。

Jay Z

ジェイ・Z（本名ショーン・コーリー・カーター（Shawn Corey Carter、1969年12月4日生まれ）は、アメリカ合衆国のラッパー、ソングライター、音楽プロデューサー、起業家として知られています。彼はビルボードの「史上最も偉大なラッパー」の第1位に選ばれ、フォーブスの「アメリカで最も裕福なセレブリティ」の第5位にもランクインしています。2022年時点でグラミー賞に88回ノミネートされ、24回受賞しています。

ジェイ・Zの有名エピソード

音楽業界への挑戦: ニューヨークで育ち、1990年代半ばに音楽経歴を開始。1996年にデビュー・スタジオ・アルバム「Reasonable Doubt」を発表し、成功を収めました。

ビジネス活動: ジェイ・Zはスポーツバー40/40 Clubのオーナーであり、Rocawearのファッションラインの共同制作者。Def Jam Recordingsの社長も務め、ロック・ネイションの創設者でもあります。

ビヨンセとの結婚: 2008年に歌手のビヨンセと結婚し、夫婦としての純資産は11億6千万ドルと推定されています。

ジェイ・Zの音楽キャリアとビジネス活動は、ヒップホップ界における彼の影響力と成功を象徴しています。彼の楽曲とビジネスの成功は、多くの若いアーティストにとってのロールモデルとなっており、ヒップホップ文化の発展に大いに貢献しています。

今回は入門編としてかなり有名なラッパーを紹介しましたが、ラップの世界はこれだけではありません。この機会にラップの魅力に気付いたら、ぜひ自分のお気に入りのラッパーを見つけてくださいね。ラップは多岐にわたるテーマ性を扱い、それぞれのラッパーが独自のスタイルとメッセージを持っています。社会的な問題を扱うラッパー、恋愛をテーマにしたラッパー、ストリートカルチャーを反映したラッパーなど、自分の興味に合ったラッパーを見つけることができるでしょう。また、ラップは地域や文化によっても異なるスタイルがあります。アメリカのウェストコーストとイーストコーストのラップ、イギリスのグライム、日本のラップシーンなど、世界中に広がるラップカルチャーを探索するのも楽しいですよ。YouTubeや音楽ストリーミングサービスを活用して、様々なラッパーの楽曲を聴いてみると、自分に合ったラッパーを見つける手がかりになるでしょう。ラップのリズムと響きに耳を傾け、言葉の魔法に引き込まれる感覚を楽しんでみてください。