ビジネス英語で意外と多い!「クビにする」以外のfireの表現

ビジネス英会話
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fireはビジネス英語(特に口語)で「解雇する、クビにする」(= sack、dismiss)という意味で使われます。たとえば

 

You're fired!
 お前はクビだ!

I had to fire those who've been with me for years.
 何年も働いてくれた人たちを解雇しなければなりませんでした。

ところで1字違いのhireは「雇う」ですので、一緒に覚えておくと忘れにくいと思いますが、fireはもともとの「火」の意味でも結構ビジネスの決まり文句に使われています。今回はそうした使い方をまとめてご紹介します。

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1.fire away

 思い切って話す、(質問などを)どんどん始める、

(例)If you have any questions, fire away.
  何か質問がありましたら、どんどん質問してください。
   = If you have any questions, don't hesitate to ask.

 通常は命令文でだけ使います。会議で議長が発言を促す時の決まり文句です。

2.Where’s the fire?

 どうしてそんなに急いでいるのですか?
   = Why are you in such a hurry?

 もともと「火事はどこ?」のことで、消防車がサイレンを鳴らして走り抜けるのを見て言うことから、急いでいる原因はどこにあるのか、という意味になりました。

3.be fired up

 奮い立つ、気合が入る

(例)He is really fired up about the new project.
  彼は新プロジェクトに奮い立っています。
   = He is excited about the new project.

 fireは動詞で火をつけることから、人を「鼓舞する」意味があります。

4.have fire in one’s belly

 野心を抱く、熱意がある(determined)

(例)He doesn't have enough fire in his belly to be a leader.
  彼はリーダーになろうとする熱意がありません。
   = He's not determined enough to be a leader.

 腹(belly)の中に火を持っている、つまり「野心、やる気」があることです。

5.fight fire with fire

 同じ手段で対抗する[戦う]

(例)If they don't stop cutting prices, we'll fight fire with fire.
  もし彼らが値下げを止めなければ、当社も同じ方法で対抗しよう。
   = If they don't stop cutting prices, we'll do the same thing to them.

 火をもって火と戦うということは、「毒を以って毒を制する」のように同じ手段で対抗することです。

6.play with fire

 危険なことに手を出す、危ない橋を渡る(take a risk)

(例)We'll play with fire if we work with struggling X Company.
  苦境にあるX社と手を組むなら、危ない橋を渡ることになる。
   = We'll take a risk if we work with struggling X Company.

 火遊びをする、つまり「危険を冒す、リスクを背負う」になります。

7.under fire

 
 非難されて、批判にさらされて

(例)Mr. Smith is under fire for mismanaging company funds.
  スミス氏は会社の資金を不正に処理したことで批判にさらされている。
   = Mr. Smith is being criticized for mismanaging company funds.

 集中砲火を浴びて、ということから、非難されていることです。

8.add fuel to the fire

 火に油を注ぐ

(例)Bill tried to be helpful, but his remarks added fuel to the fire.
  ビルは力になろうとしたが、彼の発言は火に油を注いだ。
   = Bill tried to be helpful, but his comments made the situation worse.

 fuelは燃料。このフレーズでは日本語は「油」でもoilは使いません。

9.put out fires

 トラブル[問題]を解決する

(例)I spent a lot of time putting out fires at the office.
  オフィスのトラブルの解決に多くの時間を費やしました。
   = I spent a lot of time dealing with problems at the office.

 put out firesはもともと「火を消す」ことです。

10.hold fire

 行動[判断、意見]を差し控える

(例)We should hold fire until we have more information before making a decision.
  もっと情報が揃うまで、決定を差し控えるべきです。
   = We should wait until we have more information before making a decision.

 hold fireは「発砲(射撃)を止める、控える」ことです。

11.set on fire

 〜を驚かせる

(例)Our latest product is going to set the world on fire.
  当社の新製品は世界をアッと言わせるでしょう。
   = Our latest product is going to be incredibly popular.

 set on fireは「火をつける」こと。(例)は世界に火をつける=「世界をアッと言わせる」という意味です。

12.get on like a house on fire

 すぐに意気統合する、打ち解ける

(例)Mary and I got on like a house on fire.
  メアリーと私は会ったとたんに意気投合した。
   = Mary and I quickly became close friends.

 木造家屋や、藁葺きの家は、火がつくとすぐに燃えてしまいます。そこでこの表現には「すぐに」意気投合するというニュアンスがあります。

13.spread like wildfire

 またたく間に広がる

(例)News of the his resignation spread like wildfire through the office.
  彼が辞任したというニュースはオフィス内に瞬く間に広がった。
   = News of the his resignation spread incredibly quickly through the office.

 wildfireは「野火」(野原などの枯れ草を焼く火、または野山の不審火)。火が燃え広がるのが早い様子から、噂やニュースがあっという間に広まる様子です。

14.caught in the crossfire

 面倒[厄介]なことに巻き込まれて

(例)I got caught in the crossfire between two of my co-workers.
  私は同僚の2人の間の論争に巻き込まれてしまった。
   = I got caught in the middle of an argument between two of my co-workers.

crossfireは、交差するように左右から飛び交う砲火(「十字砲火」と言います)。心ならずも両方から弾が飛んで来る状態です。

最後に、fireに「解雇する」という意味があるのは、dischargeという単語に「放り出す、解雇する」という意味と「発射する」という意味があるため、ここから連想が働いたという説があります。

もっとも、クビにしたい人間を銃の弾丸のような勢いで会社から追い出してしまう、というイメージで考えた方がわかりやすいですね。

では、また次回もいろいろ表現を学んでいきましょう!

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