“go” という一見単純な動詞が、いろいろな前置詞、副詞と組み合わさると意味がどんどん広がります。今回はそれらの中から、反対の意味を持つ前置詞・副詞(in / out など)のペアごとに紹介してみました。
会話で出会うたびにそれを覚えたり、辞書などからやみくもに覚えるよりも、こうした関連付けをすれば少しでも記憶に残るのではないかと思います。
では、始めましょう。
go in / go out
in(中へ)、out(外へ)との組み合わせですが、特にoutの場合に「デートする」などと、より意味の広がりが見られます。
◇ go in
a. 〜に入る
It's getting cold. Let's go in. 寒くなってきた。中に入ろう。
b.(日が)沈む
The sun went in and it grew colder. 日が沈むと冷えてきた。
*反対の表現(日が上る)はgo outではなく、come outになります。
c. 頭に入る
I keep studying, but these dates won't go in. ずっと勉強しているのにこれらの日付がどうしても頭に入らない。
◇ go out
a. 外へ出る
Shall we go out for a meal tonight? 今夜は外食しない?
b. 発送される、送られる
Have the invitations gone out yet? 招待状はもう送った?
*対象物が「出て行く」という形の文ですが、意味は「送られるです。
c. 付き合う、デートする
John has been going out with Mary for six months. ジョンはメアリーと付き合って6ヶ月になる。
*go out with 〜 は日常会話表現です。
d.(火や明かりが)消える
The fire has gone out. 火が消えた。
*火を消す(他動詞)ならput outになります。
go up / go down
up(上へ)、down(下へ)との組み合わせの中で1つ特徴があるのは、それぞれ2番めにある「〜に行く」の場合です。
いつもというわけではありませんが「up=北、down=南」をしばしば意識して使われます(地図を見る感じですね)。また、ここで例文はあげませんでしたが、日本語でいう「上京」というのと同じ感じで、大都市に向かう場合にgo upを使うこともよくあります。
◇ go up
a. 上がる、高くなる
The price of butter is going up. バターが値上がりしている。
b. 〜に行く
She's gone up to Scotland to see her son. 彼女はスコットランドまで息子に会いに行った。
*特に、北の方角を意識してよく使われます。
c. 〜に近づく、〜に向かう
He went up to the house and knocked on the door. 彼はその家に向かい、ドアをノックした。
*このupはほぼ強めの意味で、これはupの基本的な用法です。
必ずしも「上へ」の意味でなく単に動詞を強めるupはよく出てきます。
d. 爆発する、爆破される
If one of the gas tanks goes up, there will be massive damage. ガスタンクが1つでも爆発したら大きな被害が生じるだろう。
◇ go down
a. 下がる、安くなる
Petrol is going down (in prices). 石油が値下がりしている。
b. 〜に行く
We're going down to London next week. 来週ロンドンに行きます。
*先ほどのgo upの逆で、特に南の方角に行く時によく使います。
c. 倒れる、転ぶ
She tripped and went down with a bump. 彼女はつまづいて、大きな音をたてて転んだ。
d. 下に行く、下りる
He went down to the bottom of the mountain. 彼は山のふもとまで下りた。
go on / go off
on(接触して)、off(離れて)との組み合わせですが、句動詞でも反対の意味になる電気や機械のスイッチが「入る」「切れる」はぜひ覚えましょう。
onの「続ける」という意味は他の動詞(たとえばkeep、stayなど)との組み合わせでもよく使われます。
一方offでは「爆発する」「鳴り出す」はひんぱんに使われる表現です。
◇ go on
a. 〜し続ける
We can't let this dispute go on. この論争を続けるわけにはいかない。
b. 作動し出す
Suddenly all the lights went on. 突然全ての明かりが点いた。
c.(時間が)経過する
Things will improve as the time goes on. 時が経てば状況は改善するだろう。
d. 起こる、発生する
What's going on here? どうなっているんだ?
*通常、進行形で使われます。
◇ go off
a. 立ち去る
When are you going off on your trip? いつ旅行に出かけるの?
b.(電気が)消える
Suddenly all the lights went on. 突然全ての明かりが消えた。
c. 爆発する、発射する
The gun went off by accident. 銃が暴発した。
d.(突然)鳴り出す
She got up as soon as the alarm clock went off. 彼女は目覚ましが鳴り出したとたんに起きた。
go against / go for
against(反対)、for(賛成)との組み合わせでは、againstはほぼそのままで理解できる使い方が多くなっています。
一方、go forの意味にはかなり幅があり、「攻撃する」「当てはまる」などは知らないと意味がとれないかもしれません。それぞれ例文を確認してみてください。
◇ go against
a. 〜に逆らう、従わない
He was going against his doctors advice. 彼は医師の指示に従っていなかった。
b. 〜にとって不利である
The war is going against us. 戦況は我々に不利に進んでいる。
c. 〜に違反する
Your fashion goes against our company dress code. あなたの服装は会社の服装規定に違反している。
◇ go for
a. 〜を攻撃する
She went for him with a knife. 彼女はナイフを持って彼に襲いかかった。
b. 〜に当てはまる
We may have high unemployment, but the same goes for many other countries. 我が国の失業率は高いかもしれないが、同じことは他の多くの国にも当てはまる。
c. 〜を連れに(取りに)行く
Shall I go for a doctor? 医者を呼びましょうか?
d. 〜が好きである
Do you go for jazz? ジャズは好きですか?
e.(〜の値段)で売られている
These computers usually go for under $1000. これらのコンピューターはふつう1000ドルしない。
go over / go under
over(上に)、under(下に)との組み合わせですが、go overでは「〜に行く」のように特に意味のないoverの使い方があります。これはCome over here.(こっちに来い)の場合も同じです。
go underでは2番めの「つぶれる、破産する」がよく使われる重要な表現です。
◇ go over
a.(ある場所に)行く
He went over to the window for a closer look at the parade. 彼は窓のところに行ってパレードをもっと良く見ようとした。
b. 〜を超過する
Don't go over the speed limit. スピード違反をしてはいけない。
c. 〜を(詳細に)調べる
I'll go over the figures again to make sure they are right. 数字をもう一度よく調べて正しいことを確認します。
d. さっときれいにする
He went over the surface with a duster. 彼は表面だけさっとホコリを払った。
◇ go under
a. 沈む、沈没する
They had to swim to shore when the boat went under. ボートが沈没したので彼らは岸まで泳がなければならなかった。
b.(会社が)つぶれる、破綻する
A large number of small companies have gone under. 小さな会社がたくさんつぶれた。
c. 〜という名前で知られる
Does he go under any other names? 彼は何か他の名前でも知られていますか?
いかがでしたか?
反対の意味の前置詞、副詞との組み合わせでも、句動詞が必ずしもその通り反対の意味になるわけではありませんね。
そういうところに注意して、1つでも多く覚えていただけると嬉しいです。