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お互い気持ちの良い”No”の言い方教えます。

 英語でも日本語でも、会話の中で難しいのは「お断り」する場合の言い方です。同意する時は、よほど変な言い方をしないかぎり相手ともめることはありませんが、相手の意に反した反応は、何の気なしに言った言葉でも「この人、何?」というように受け取られてしまうことがよくありますね。

 今回は、頼みごとをされた時やお誘いを受けた時などに、相手の気分をこわさずにお断わりするフレーズをご紹介します。笑ってごまかさずに言葉できちんとお断わりしましょう。

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1.相手の依頼を断るとき

何か頼みごとをされて、何とかしてあげたいのは山々だけれど、自分にはできないのでどうしても断らなければならない時、

No, I can’t

だけではまずいだろうと思えることが第一歩です。これではあまりにそっけないので、もうちょっと言い方があるはずです。

I’m sorry, but I can’t.

これなら「お気の毒ですが」という気持ちが加わって少し良くなります。(このsorryは「気の毒に思う、残念に思う」です。謝罪していると相手に思われることはないので安心してください。)

しかしこれもちょっと事務的なので、次のような言い方を覚えましょう。

(1)I’d like to help, but …

 文字どおり、「お役に立ちたいのですが、・・・」という言い方です。たとえばこんな感じです。

I’d like to help, but I will not be available on Monday.
  お役に立ちたいのですが、月曜日は用事があるので。

 この言い方は正直に事情を話しているので、相手の理解を得やすいというのもポイントです。

 
(2)I just can’t right now.

 「(やってもいいけれど)今は無理。」という言い方です。親しい間柄の人に言う時に適したフレーズで、「ちょっと今元気ないから」という時にも使えます。

 ひとつ大事なのは、I can’t. よりほんの少し言葉を加えただけで丁寧さが増すということです。日本語でも「ごめんなさい」より「本当にごめんなさい」のほうが丁寧な気持ちが伝わりますが、これは英語でも同じことです。

(3)I would if I could.

 「できることならやりたいのですが。」というこの言い方のポイントは、仮定法過去。「仮定法は丁寧に言いたい時使える」と覚えておきましょう!「現在の事実に反する仮定」などと説明されて、そんな面倒な言い方は決してしないだろうと思ったものですが、実は社会に出てから仮定法は大活躍します。

 順番を入れ替えてIf I could, I would.でももちろんいいですし、後に理由を加えればもっと誠実な断りになります。一方で、理由もなしにあまりこればかり使うと、何を言ってもやる気がない人と思われるので注意しましょう。

 仮定法の表現でもう1つ覚えておきたい表現に、

 I wish I could, but …

があります。I wish I could … は「〜できたらいいのに」という、学校で習う典型的な仮定法なのでこちらの方がおなじみかもしれませんが、ここでは「〜」にあたる動詞は相手が頼んできたことであり、あえて言う必要がないということで省略され、but以下で理由を言うという形です。

 I wish I could, but

2.相手の申し出を断るとき

相手から(Shall we〜?などと)何か申し出があった時、また何かを勧められた時に、「大丈夫、必要ない」「まあ、そうしなくてもいいや」思っても、

No problem.
No, thank you.

などと言うのは、せっかくの相手の心遣いに対する返答としては考えものです。この場合には次のように言うのがおすすめです。

(1)Thank you, I’m fine, really.

 「ありがとう、本当に大丈夫。」「本当におかまいなく」といったニュアンスになります。大事なのは申し出てくれた相手に感謝の気持ちをしっかり伝えることです。

(2)Don’t put yourself out.
 
 「気にしないでください」というちょっと軽い感じの表現です。
 put oneself outは「(人の)世話を焼く」「(人のために)骨を折る」にあたり、自分はさておき人のために必要以上のことをするという意味。さらに言葉を加えて丁寧に言いたければ、次のようになります。

 Please don’t put yourself out on my account.
  どうか私のことはおかまいなく。

(補足)この言い方は、put人 out = 「(人に)迷惑をかける、(人を)煩わせる」の目的語が自分自身になった形です。たとえば次のような場合です。

 

I don’t want to put you out, but I wonder if you could help me.
  ご迷惑をおかけしたくありませんが、協力していただけませんか?

 

Don’t worry. You haven’t put me out at all.
  気にしないでください。私に何も迷惑をかけてはいませんから。

3.「自分でできますから」と辞退する

これも相手から申し出があった時ですが、本当に自分だけで大丈夫だと思った時には、ただ「おかまいなく」よりも納得性があるので使ってほしい表現があります。

(1)I’ll be fine, thank you.

 これは軽い言い回しで、「大丈夫です。ありがとうございます。」という意味ですが、

 I’m sure I’ll be fine.

と言ってもいいですね。

(2)I’m sure I can handle it.

 handle(処理する)を使って「自分でできますから。」という言い方で、相手の申し出をスマートに辞退することができます。

(3)That’s nice of you, but I can do it myself.

 この前半は丁寧に「ありがたいことですが・・・」という言い方です。Niceはkindを使ってもいいです。また

 That’s very (awfully) kind of you, but I’m sure I can do it.
  とてもご親切にしていただいて感謝しておりますが、大丈夫です。

のように言えばさらに丁寧になります。

(4)I don’t want you to go out of your way.

 もう1つていねいな言い方で、「ご迷惑を掛けたくないので結構です。」という意味になります。相手のことを十分考慮した感じが出ます。

(補足)go out of one’s wayは「わざわざ~する」。

 Don't go out of your way to help me finish this.
  わざわざ手伝ってくれなくても、私がやり終えます。

4.断る理由

ここまで何度か、どのような断り方でも理由をつけてあげるといいとお話ししました。もちろん本当に理由があればそれを言えばいいのですが、本当はどうも気が乗らなくて断る時のもっともらしい理由を少しストックしておきましょう。

まず、たとえば仕事の場面ではこんな理由があります。

  

I’d like to, but I can’t help you as I am busy in my own project right now.
   残念ですが、今は私自身のプロジェクトで忙しくてお手伝いできません。

 またどんな場合でも「予定がある」は万能(?)なので、

  

I’m afraid I can’t. I have plans for tomorrow.
   あいにく、明日は予定があるのでできません。

いかがでしたか?主に3つの場合について、相手に悪い印象を与えない断り方をご紹介しました。それぞれの表現を使えるように慣れておいていただきたいと思います。

同時に、一般的にていねいに言いたい時ほど言葉を多く使うこと、理由を添えて相手に納得してもらうこと、仮定法を上手に使うことといったポイントも覚えておいてくださいね。

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