スタートアップとは、もともと新しく始めることを意味しますが。ITの発展と並行して、誰もがすぐにアイデアを形にできるような時代となってきて、この言葉は「会社を立ち上げる」ことにも等しい意味で用いられるようになりました。もはや、会社を立ち上げて、成り上がっていくスタイルは文化のようになっているのが、アメリカ西海岸の現状です。
もちろん、日本でも同じことがいえ、普段使っているメッセージアプリや、ビジネスアプリの中には国内で誕生し、使われているようなものもたくさんあります。
なかなか接触する機会はないかもしれませんが、このスタートアップ業界で働く人たちは普段では使われないような言い回しや、言葉を日常的に使いがちです。その英単語はもともとの意味からは飛躍したニュアンスを含んでおり、ネイティブでも理解に時間がかかるような場合もあります。
今回はそんなスタートアップならではのフレーズを幾つかご紹介します。どこかで聞いたこともあるかもしれませんが、IT業界にいる彼らはそれを頻繁に当たり前であるかのように用いています。
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■スタートアップならではのフレーズ集
単語 | 意味 | 描写 |
Platform | ホーム | 駅のプラットフォームなどで使われがちですが、ここでは多くの人たちが頻繁に使っているサービスなどを指します |
Disrupt | 崩壊させる | 日本では聞き慣れませんが、スタートアップ業界では最も使われているとされるのが、ほぼ「Change」と同等に使われます。 |
Lean | 傾く | コスト意識して、あらゆる作業をリーズナブルに済ませる |
Scale | 規模 | 成長していく、規模が大きくなる |
Crowdsourced | クラウドソース化 | 外部に一部の業務を委託するアウトソースのうち、不特定多数の誰かにこれを投げかけること |
Hockey stick growth | ホッケースティックのような成長 | 見通し成長できる指標 |
Unicorn | 一角獣 | 非上場で時価評価額1000億ドル以上の会社 |
Deck | (船の)デッキ | パワーポイントプレゼンテーション |
Evangelist | 先導者 | 営業やマーケティングなどの職種を極めた人 |
Convergence | 収束 | 何回訪れているかなど、回数 |
Deep Dive | 深く潜る | 深いリサーチを行うこと |
Visionary | 先見性のある | 信念の透き通ったさま |
Bootstrap | ブートストラップ | 外部の資金なしで会社を構築すること |
こうした聞きなれない言葉もたまにビジネスで発してみるとカッコイイかもしれませんね。突然、言葉に出してしまうと、少し嫌味に聞こえるかもしれないので注意しなければいけませんが。
ところで、こうしたスタートアップを行う人たちは一体どのような人種なのでしょうか。彼らは、自分や相手との競争を好み、決して挑戦を止めません。不特定多数いる彼らの言葉を代弁するかのように、成功者が口にした言葉を幾つか続けて、紹介したいと思います。
■成功者が口にした言葉
“The secret to successful hiring is this: look for the people who want to change the world”
「上手くいく採用の秘訣はこれだ:その人が世界を変えたいかどうかをよく見るんだ。」
マークベニオフはビジネス向けソフトウェアの王者として君臨する「Salesforce(セールスフォース)」の創業者。CRM(:Customer Relationship Management)、つまり顧客を管理するソフトウェアを生み出し、ビジネスのゴールである顧客満足度を最大限にアップさせるための施策を次々と放っている一大企業です。そんな誰よりも営業マンを見てきた会社の一言は頷かされます。
“Bad shit is coming. It always is in a startup. The odds of getting from launch to liquidity without some kind of disaster happening are one in a thousand. So don’t get demoralized.” 「最悪な時はやって来る。スタートアップをやっていれば、そんなことばかりだ。度重なる災害なしに始まりから流動的になっていく確率は何千分の一に過ぎない。民主的になってはいけないのだ。」
若き起業家たちが憧れる名門・YCombinator(ワイコンピネーター)の大将であるポールグレハムの言葉。スタートアップは普通ではないのが、当たり前ですが、幾千のスタートアップを見届けてきた彼ならではの言葉は響きます。
“Don't start a company unless it's an obsession and something you love. If you have an exit strategy, it's not an obsession.” 「絶対的な信念や、愛するなにかがないのであれば、会社を始めないでください。出口戦略だけを語っているようであれば、それは決して信念ではありません。」
成功者の代名詞とも呼ばれるような存在である、マークキューバン。数々の企業を成功に導き、巨万の富を築き、アメリカ四大スポーツNBAのチームを買収するなどビジネスシーンに欠かせない人物です。彼の言葉には、当たり前ですが忘れかけていたような、不思議な説得力を感じますね。
“If things are not failing, you are not innovating enough.” 「もし失敗しているなら、それがまだ革新的ではなかっただけだ。」
世界を変えるという言葉に最も責任感を灯すことのできる人物といえば、イーロンマスク。彼はオンライン決済サービスPaypalの成功資金を元に、「人類を持続的に生活させる」という信念のもとで、宇宙事業SpaceX、電気自動車Tesla Motors、スマートシティを目指したSolarcityを手がけています。一つの信念で、3つの会社を立ち上げる荒技には感服します。
あまり馴染みのない分野であるように感じる方もいるかもしれませんが、たまには彼らの考え方をもとに物事を考えてみるのも面白いのかもしれません。