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エリザベス英女王90歳に学ぶ長寿の秘訣

 イギリスのエリザベス2世は4月21日に90歳の誕生日を迎えました。在位は満64年を超え、イギリス史上最長在位の君主となった女王は健康そのもので、国民も心から長寿をお祝いしました。

 女王の健康の秘訣を、英語を勉強しながら探ってみましょう。(英文は、”Queen Elizabeth II’s birthday 2016: What can we learn about long life? “  BBC News 2016/4/20)

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1.遺伝(Good genes)

 英国王室は間違いなく長寿の家系です。エリザベス二世の母(故・エリザベス皇太后)は101歳でした(王室最長寿記録は義理の叔母のアリス公女という方で、102歳309日)。

If you have parents and grandparents who made it into their eighties and nineties there is a chance you have inherited good genes. You are more likely to have a strong immune system and are less likely to develop chronic diseases such as cancer and cardiovascular problems.
 両親や祖父母が80代、90代まで生きたなら良い遺伝子を受け継いだ可能性高い。強い免疫システムを持ち、ガンや心臓血管の問題といった生活習慣病にかかりにくい。

・inherit:受け継ぐ
・gene:遺伝子
・immune:免疫
・develop:(病気に)かかる
・chronic diseases:生活習慣病
・cardiovascular:心臓血管の

2.正しい生活習慣(Avoided bad habits)

 喫煙習慣を長く続けると、平均寿命より約10年は早死にします(die prematurely)。中でも心臓病(heart disease)、肺がん(lung cancer)、慢性気管支炎(chronic bronchitis)などは喫煙が原因で発症します。エリザベス二世は両親を始め親族に多くのヘビースモーカーがいたのに決してタバコを吸おうとしませんでした。

 また女王はお酒も控えめです。どうしても飲まなければならない時も原則として1杯だけ。2杯飲むのは本当にまれなことです。

3.節度ある食事(Sensible eating)

The Queen’s personal chef told People magazine last year that she keeps a close eye on her figure. He said when she isn’t entertaining she sticks to simple meals like grilled chicken with salad.
 女王の料理人が「ピープル」誌に語ったところによれば、女王は体重にとても気を使っていて、誰かを食事に招待する時以外の食事は、鶏のグリルにサラダ程度の簡素なものと決めている。

・keep a close eye on:〜を見守る、監視する
・entertain:接待する
・stick to:〜にこだわる、固執する

 でんぷん(starch)を摂らないと決めていて、ディナーにはポテト、お米、パスタ類は出ないそうです。また女王もエジンバラ公も決して食べ過ぎることはありません。公式の食事会が多い2人にとって、これはとても重要なことです。食事に無頓着で運動不足が加わると肥満(obesity)の原因になり、寿命を10年は縮めると言われます。

4.幸福な結婚(Marriage)

 幸福な結婚生活(a successful marriage)によって、心疾患(cardiovascular disease)のリスクは独身者より5%少なくなるという調査結果があります。一方で、上手くいっていな結婚(a strained marriage)だとそのリスクが上昇するとのことです。

・cardiovascular:心臓血管の
 cardio-(心臓の)+ vascular(血管の)。
・strained:緊張した、(人間関係が)ぎくしゃくした
 strainは「引っ張る」「緊張させる」という動詞。

 エリザベス二世と5歳年上のエジンバラ公は、ご成婚以来今年で68年になります。

5.運動を欠かさない(Stayed physically active)

 日々の公務で体力を消耗する女王は運動を欠かしません。ウィンザー城にいる時には週に1度か2度は乗馬。また犬の散歩も日課になっていて、午前中に時間がなければ午後にします。

 女王の公務は、一般のビジネスパーソンと違って座っている時間が短く、勲章を授与したり官位を与えたりする叙任式(investiture)では、90歳の女王が1時間半立ったままということもあるほどです。

Evidence suggests the best exercise is constant activity, rather than spending half an hour doing the same thing like running on a treadmill.
 データが裏付けるところによれば、最も良い運動はたえず体を動かしていることだ。これはルームランナー(treadmill)の上で30分ただ走り続けるよりずっと良い。

 一方で、女王は每日必ずほぼ7時間の睡眠を取っています。理想的な睡眠時間は6時間から8時間という研究結果もあり、これも理にかなっていますね。

6.ストレスを溜めない(Coped with stress)

Stress can take years off a person’s life.
 ストレスは人の寿命を何年も縮めることがある。

・take A off B:AをBから取り除く・取り外す
 上の文は「人の生涯から何年も取ってしまう」→寿命を縮めるという意味。

 それほど強いストレスではなくても心臓まひ(heart attack)や脳卒中(stroke)の可能性が20%は高まると言われますが、王室のトップとして国民やマスコミの目にさらされ、忙しい日々を過ごす女王のストレスは相当のものでしょう。

She’s been doing this job for so long she is conditioned against it. She can get angry if something doesn’t go right, but as it’s often out of her control there is no point becoming stressed about it.
 女王は長い間の公務の経験からストレスに対応できるようになっている。何かうまく行かないことがあれば腹を立てることもあるが、自分の力が及ばないことである場合が多いので、気にしてもしかたないと考えている。

・conditioned:調整済みの、準備された
・go right:上手く行く
・there is no point 〜ing:〜しても意味がない・むだである

 悩んでも仕方ないことは気にしないというのが、ストレスをためない秘訣のようですが、自分で決められることとなれば、たとえば每日の食事のメニューなどにはしっかり自分の希望を通すそうです。

7.精神的な刺激(Kept mentally alert)

 女王はイギリスだけでなく英連邦15カ国の元首です。そのためクリスマス以外の364日は書類を読んでいます。また手紙に返信し、政府高官、外国要人、一般国民など様々な人と会って話すという、過酷とも言えるスケジュールをこなしています。

 このように常に精神が刺激を受けていると、認知低下(cognitive decline)を起こす確率が低くなると言われています。

8.信仰心と慈悲(Faith and charity)

 イギリス国王は、同時に英国国教会の首長(Defender of the Faith:直訳では「信仰の擁護者」)でもあり、女王自身も敬虔なクリスチャンです。科学的にはまだ解明されていませんが、信仰心と長寿とは関係があるようです。

 また、他人を助けることは寿命を延ばすと見られています(ボランティア活動をすると死亡率が22%下がる)が、女王は600以上の慈善団体や各種組織の後援者(patron)として、年間14億ポンド(約2240億円)もの貢献をしています。

 
 いかがでしたか?
 日頃の節制と心の安定が、元気で長生きする秘訣のようですね。

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