タイガー・ウッズは復活するか?

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 プロゴルファーのタイガー・ウッズは1996年のプロデビュー以来、翌年のマスターズで最年少優勝したのをはじめ20代でアメリカPGAツアー46勝、国際試合でも9勝を上げました。しかし2009年に不倫が発覚して以来急転し、事故や故障もあって2013年を最後に勝利から遠ざかっています。

 英語を勉強しながら、40歳になったかつての最強ゴルファーの今後の可能性を読んでみましょう。(英文は、”Why Tiger Woods may never win another tournament” Washington Post 2016/4/6付)

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☆ ニクラウス「タイガーはまだ勝てる」

 タイガー・ウッズは2015年10月に、3度目となる腰の手術(back surgery)を行いました。現在は手術後のリハビリ中で、ツアー復帰の時期も明言できない状態ですが、かつての「帝王」ジャック・ニクラウスは、ウッズが欠場した今年のマスターズを前に、今でも彼の復活を信じていると発言しました。

Jack Nicklaus isn’t ready to proclaim Woods’s career over just yet. ”I don’t think he’s done,” Nicklaus said Tuesday afternoon before going to the champions dinner. ”I think Tiger is going to win more tournaments.”
 ジャック・ニクラウスはまだ、ウッズの選手キャリアの終了を宣言するつもりはない。「彼がもう終わったとは思わない。」ニクラウスは火曜日の午後、チャンピオンズディナーへ向かいながら語った。「タイガーはまだ試合に勝てると思う。」

・back surgery:腰の手術
 backの意味は「背中」だけではなく、” The rear surface of the human body from the shoulders to the hips”(肩からお尻まで)なので、スポーツ選手でbackに故障という場合には「腰」のことが多いです。
 backacheという単語も背中から腰までの痛み全般を指します。
・proclaim:公言する

◆done:終わった(最所の文のoverと同義)
 次のような表現もあります。
  done for:(危機的な状況で)もう終わり、やられた
   At the end of the fifth book, we thought the hero was done for.
    第5巻の最後では、主人公はもうだめだと思った。
  done deal:既成事実
   This was reported as a done deal.
    これは確定した事項として報じられていた。
  done in:疲れきって
   You look done in.
    ヘトヘトみたいだね。

・champions dinner:(マスターズの)チャンピオンズディナー
マスターズ歴代のチャンピオンだけが出席できる、大会前の火曜日の夜に開かる食事会。

 ウッズは昨年12月、40歳の誕生日を前に米「タイム」誌とのインタビューで復帰に備えていることを明かしながら、本当の復活への道が厳しいことを認めていました。

Woods would need to buck the odds to get back to his winning ways. And that doesn’t mean a return to the dominant golfer who was awarded PGA player of the year a record eleven times, it means he would need a surprising turn to make it back to being an average golfer.
 ウッズがもし勝てるようになるとすれば、大方の見方をくつがえす必要があるだろう。そしてそれは彼がかつてPGAツアー年間最優秀選手に11度輝いた最強のゴルファーに戻ることではない。並のゴルファーとして何とか復帰するだけでも、考えられないほどの状況の好転が必要だということだ。

・buck the odds:予想をくつがえす
 buckは「~に強く反対する、抵抗する」、oddsは賭けの「確率」
・get back to:〜に戻る
・dominant:支配的な
・PGA (of America):(全米)プロゴルフ協会
  Professional Golfers’ Association of America。
・make it back to:何とか〜に戻る

☆ データの示す衰えと40歳のカベ

 実際、彼のコース上での数字ははっきりと陰りを見せています。2006年には、1試合あたりでグリーンに乗せるまで彼の打数は、全体の平均より約3打勝っていました(少なかった)。それが2010年にはほぼ平均並となり、昨年はついに平均より1打劣ってしまいました。

Whether or not he wins another tournament, we can probably forget about Woods catching up to Nicklaus for most majors won in a career (18). Woods is currently four behind the “Golden Bear” with no golfer winning more than three majors after turning 40 years old.
 彼が再び勝つ日がくるかどうかは別として、メジャー通算勝利数でニクラウスの18勝に並ぶのを期待することはまず不可能だろう。ウッズは「ゴールデンベア」ニクラウスの記録まであと4勝だが、40歳を過ぎてからメジャーで4勝した選手はこれまでいない。

・forget about (人) 〜ing:(人)が〜するのは諦める、忘れる
・catch up to:〜に追いつく
・major:(ゴルフの)「メジャー(大会)」

 マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロの4大会を男子プロゴルフのメジャー大会と呼んでいます。
 ウッズはメジャーで14勝を挙げ、ジャック・ニクラウスの18勝を単独2位で追っています。ニクラウスは40歳でメジャーに2勝し、46歳が最後の勝利になりました。メジャー最年長優勝記録(48歳・全米プロ)を持つジュリアス・ボロスは43歳の時にも同じ大会で優勝しています。

 40歳を過ぎてから試合に勝つのがどれほど難しいかは、PGAの記録を見ても明らかです。3年ごとに40歳以上の選手の勝率を見ると、2003年から2005年には1.8%でしたが、現在は0.5%まで下がっています。

His peers agree. In a poll of 60 PGA Tour pros conducted by ESPN, 70 percent said they don’t believe Woods will ever win another major.
 他の選手達も同じ意見だ。ESPNが米国ツアーの60人のプロ選手に対して聞き取り調査を実施したところ、ウッズはもうメジャーで勝てないという回答が70%だった。

・peer:同僚、仲間
・poll:投票、(世論)調査、聞き取り調査
・ESPN:(アメリカのスポーツ専門のテレビチャンネル。)

One day Woods will make his retirement from golf official, but the truth is he has probably already won his last trophy.
 いつかウッズは正式にゴルフからの引退を表明するだろう。しかし恐らく彼がメジャー勝利を再び手にすることはないだろう。

 冒頭のニクラウスの発言には、ウッズには過去の選手のデータなど関係ないだろうという思いがあるでしょう。しかし「タイム」誌とのインタビューで「ゴルフをしているより子供といるほうがずっと大切だ」と語るウッズは、すでに特別な選手ではなくなっているのかもしれません。

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