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これで迷わない!SomeとAnyの使い分けを完全に解明

 英語を習い始めて間もなく出てくるのに、いつになっても使い分けがきちんとできない!という悩みが多いのが、数量を表す「some」と「any」です。
そこで今回はこの2つの違いを、文法からキッチリ説明してみました。
どんなことでもそうですが、someとanyの使い分けにも「基本(原則)」と「それ以外」がありますので、そこから始めましょう。

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(1)使い分けの原則

 どちらも基本的には形容詞的に使い、どちらも定まっていない数量を表しますが、次のように使い分けます。

1.someは肯定文で使い、anyは否定文と疑問文で使う
 これは最初に習う基本中の基本です。「それは知っているけど、違う場合が知りたいんだよ!」と言う方も、あわてずにまず次の文でおさらいしてください。

|肯定文:The doctor gave me some medicine for my headache.
  医者が私に(いくらか)頭痛薬をくれた。
|否定文:There aren't any women in the group.
  そのグループには女性がいない。

 このように、not any が「何も〜ない」(no)の意味になるのはご存じですね?

|疑問文:Is there any coffee in the pot?
  ポットの中にコーヒーが(いくらか)ありますか?

2.something、anything などの使い分けは1の原則に準ずる
 上の原則はsomething、anything、someone、anyoneといった、someとanyによる合成語でも同じになります。これも1つずつ見てみましょう。

|肯定文:I have something to tell you.
  あなたに話すことがあります。
|否定文:I don't know anything about that.
  私はそれについて何も知らない。
|疑問文:Is there anyone else who wants to come with me?
  ほかに誰か私と一緒に来てくれる人はいますか?

3.「もしも」の ifと一緒に使う場合
 例外に移る前に、意外と知られていない原則が1つあります。
それは「もしも〜」という条件のif節の中で使う場合で、これには2つのルールがあります。

(A)疑問の意味がある時はanyを使う 

  If you have any questions, please feel free to ask me.
   質問がある方はご遠慮なくお尋ねください。

(B)疑問の意味がなく、単なる条件の場合は、some/anyどちらも使える

 If you want some more food, help yourself.
  If you want any more food, help yourself.
   どちらも「もっと食べたければご自由にどうぞ。」になります。

☆(注意)「〜かどうか」の if の場合は原則2があてはまらない
 ifが「もしも」でなく「〜かどうか」の場合(whetherも同じ)は、原則1の疑問文の場合と同じに扱い、any を使います。

 I wonder if (whether) he has any chance to come.
   彼は来られるだろうか。

 AとBのifは文法的に副詞の働きをする「副詞節」(*)を作りますが、「…かどうか」のifは「名詞節」という違いがあります。
上の文を見ると、if以下の意味は、彼が来られるかどうか「ということ」という、名詞の意味を持つ節になっています。
(*)『副詞』=原則として動詞、形容詞、副詞を修飾する
 『節』=主語+動詞を含む完全な文になっているかたまり

(2)原則に当てはまらない場合:疑問文の中の”some”

 さて、お待たせしました。
ここまでの原則があてはまらない場合に移りましょう。
これは疑問文にsomeを使う場合のことで、3つのケースがあります。

1.答えが肯定であることを期待する疑問文

Aren't there some snacks in your bag?
 (バッグにお菓子が入っていませんか?)

 これを言う時は、「あるよね!」という気持ちがあります。
 (= I’m sure there are some snacks in your bag.)

2.人に何かを勧める場合の疑問文

Will you have some more tea?
  もう少しお茶をいかがですか?

 これは、Please have some more tea. のことです。
 someではなくanyを使って、Will you have any more tea?と言ったら、単純に相手の意向を聞くだけの意味になります。
つまり、単に肯定の答えを期待するという以上に「勧める」という積極的な気持ちがあれば、必ずsomeを使いましょう。

3.人に何かを頼む場合の疑問文

Apparently, I left my wallet at home. Can you lend me some money?
  どうもサイフを家に忘れたみたい。少しお金を貸してもらえる?

 サザエさんの主題歌のような状況ですが、これも「いいよ」と言ってくれるのを単に期待するだけでなくどうしても必要な時はsomeです。
うっかりanyにすると、「ダメならあきらめるからいいよ」というニュアンスになり、相手を動かすことができません。

(3)その他のsome/anyの使い方

 someとanyの使い分けの原則と、それが当てはまらない場合について、しっかり区別できるようになりましたか?
最後に、少し違ったsomeとanyの使い方についても付け加えておきます。

まず、数量に関係なく形容詞として使う場合で、次の2つがあります。

1.someが単数形の可算(数えられる)名詞について、定まらない意味を表す

I'll leave here some day this month.
  今月のいつかここを出発します。
I remember having read about it in some book.
  それについて何かの本で読んだ記憶がある。

2.anyが肯定文の中で「どの〜」「どんな〜」の意味を表す

I am pleased you like here. Come again any day.
  ここが気に入ってくれてうれしいよ。いつでもまた来てね。
Any opinions and suggestions from the users are welcome.
  ユーザーからのどんなご意見、ご提案も歓迎します。

2.someとanyの代名詞、副詞としての用法
 someとanyは、形容詞的に使われるだけでなく、代名詞、副詞としての使い方もあります。

(A)代名詞として使う場合
 some flowers、some boys のように名詞につかずに単独で使われることを言います。

I read some of the book today.
  その本を今日少し読んだ。
I need some DVD's. Do you have any?
  DVDが何枚か必要です。持っていますか?

 2つ目の文では、後半のanyの方がこの使い方(any = any DVD’s)です。なお、代名詞としてsomeとanyを使う場合の使い分けは、このページの前半でご紹介した原則と例外が当てはまります。

(B)副詞として使う場合
 someとanyが主に比較級について修飾する時、あるいは「約・およそ」の意味を持つ場合のことです。

Do you feel any better now?
  具合はいくらか良くなりましたか?
 It can't get any worse.
  これ以上悪くなりようがない。
 They don't live here any longer.
  彼らはもうここには住んでいない。
 We have some fifty employees.
  従業員は約50名います。

 いかがでしょうか?
今回は、あいまいな表現を極力使わずに、白黒はっきりつける決意(?)でsomeとanyの区別を説明してみました。

日頃の疑問がすっきり解決した!と思って下さることを願っています。

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