英語と日本語の面白い違いのひとつに、「疑問文に対する答え方」があります。
例えば、以下の2つの会話を見てみましょう。
①“Do you know who he is?”(彼が誰だか知っていますか?)
“Yes, I do.”(はい、知っています)/ “No, I don’t.”(いいえ、知りません)
②“Don’t you know who he is?” (彼が誰だか知らない?)
“Yes, I do.”(いいえ、知っています)/ “No, I don’t.”(はい、知りません)
①は特に問題ないと思うのですが、問題は②です。
日本語で「いいえ」と答えたいときは “Yes”、「はい」のときは “No”と答えなければなりません。
“Don’t you~?”という形で尋ねられることは結構ありますが、意識しないで誤って答えてしまうと、全く逆の意味になってしまうため注意が必要です。
今回は、“Yes”で「いいえ」、“No”で「はい」の意味になる答え方について紹介します。
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■日本語と英語の考え方の違い
疑問文に答えるとき、日本語と英語とでは考え方の違いがあります。
「猫が好きですか?」
と聞かれた場合、
好きであれば、「はい」
嫌いであれば、「いいえ」
と答えます。
これは英語も同じで、
“Do you like cats?”に対し、
好きであれば“Yes”
嫌いであれば、“No”
となります。
しかし、「猫が好きじゃないんですか? “Don’t you like cats?”」という風に聞かれた場合、
好きであれば、日本語では「いいえ(好きですよ)」と、「好きじゃない」と言われた部分を否定する形で返事をします。
一方で、英語では
“Yes(I like cats).”と、あくまでも “Do you like cats?”と聞かれたときと同じ答え方をします。
英語の場合は相手の質問の言葉を肯定・否定するのではなく、猫が好きかどうかという事実について “Yes”か“No”で答えているのです。
■ 「“Yes”と肯定文」、 「“No”と否定文」は必ずセットになる
先ほどの会話例で出てきたように、日本語では「いいえ、好きですよ」や、「はい、好きじゃないです」という風な答え方が可能ですが、
英語には“No, I like cats”や“Yes, I don’t like cats.”といった答え方はありません。
“No”といえば、必然的にそのあとに続くのは否定文になるので、聞き手は “I don’t like cats.”という意味だなととらえます。
そのため”No, I like cats.”と答えた場合、嫌いなのか好きなのかわからず、「どっちだよ!」と聞き返されるハメになってしまいます。
■色々な場面を参考に練習してみましょう
以下の会話文の( )に入る返答を考えてみてください。
①A: “Don’t you want to eat this?”(これ食べたくないの?)
B: “( )” (うん、食べたくない)
②A: “Aren’t you going to come to the party?”(パーティーに行かないの?)
B: “( )”(いや、行くよ)
③A: “Don’t you have something to drink?”(飲み物持ってないの?)
B: “( )” (ううん、持ってるよ)
いかがでしたでしょうか。
答えは以下の通り。
① “No, I don’t.”
「食べたくない(I don’t want to eat.)」という否定文の事実を言うため “No”で答えます。
② “Yes, I am.”
「行くよ(I’m going to come to the party.)」という肯定文の事実を言うため “Yes”で答えます。
③ “Yes, I do.”
「持ってるよ(I have something to drink.)」という肯定文の事実を言うため “Yes”で答えます。
■慣れるまでの便利な答え方
問題は解けても、実際の会話で突然でてきたときには、「あれ?どっちで答えるんだっけ?」と混乱する場合もあると思います。
そんなとき、間違えずに答えらえる簡単な方法があります。
“Yes”、“No”を言わずに答えればいいのです。
例えば上記①~③の会話であれば、
①A: “Don’t you want to eat this?”(これ食べたくないの?)
B: “I don’t.” (食べたくない)
②A: “Aren’t you going to come to the party?”(パーティーに行かないの?)
B: “I am.”(行くよ)
③A: “Don’t you have something to drink?”(何か飲み物持ってない?)
B: “I have.” (持ってるよ)
慣れてきたら、ここに “Yes” 、“No”をつけていけばいいと思います。
■まとめ
何事もそうですが、最初は難しくても、慣れてしまえばなんでもないこと、というのは多いものです。
留学帰りの友人に、「これいらない?」と尋ねたとき、頷くのではなく首を横に振られたのを覚えています。
「いらない」という事実に対して “No”と答えるやり方に慣れているのですね。
みなさんも、色々な英文に触れて、英語の考え方にどんどん慣れていくといいかもしれません。
<今回ご紹介した内容を要約すると>
・否定疑問文のときは“Yes” “No”の答え方に注意
・混乱したときは、“Yes” “No”を外して答えても大丈夫
・慣れるまで色んな英文に触れて練習することが大事