国内のホステルに泊まり国際交流をしよう

文化の違い
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こんにちは、お泊まりが大好きなころすけです。旅の充実度の半分は”宿”が決めると言っても過言ではないと思っています。最近は特に観光の用事がなくても、都内のホステルに1泊だけしてみたりして心のリフレッシュをしています。相部屋だけでなく個室もありますから、きちんとひとり時間も過ごせます。

読者のみなさまのほとんどが、国内のホステルにまさか自分が泊まるなんて考えもしないでしょう。外国人が出入りするのを見ることはあっても、まさかそこに自分が、まして恋人と、あるいは家族で泊まるなんてことは絶対にないだろう…と思われるでしょうね。
でも、ぜひ行ってみてください! 意外におもしろい体験になり、満足度の高い宿泊の思い出になりますよ。

国内ホステルは大盛況

外国人観光客であふれる東京、そして京都にお住まいの方なら、ホステルがものすごい勢いであちこちに新規オープンしているのをよくご存じでしょう。昔ながらの湿っぽい安宿ではなく、今ではずいぶんとしゃれた作りになったものです。日本のクウォリティを信頼してホステルを選んでくれている外国人旅行者が非常に多く、1泊4,000円ほどで清潔なシャワーブースと布団を用意してくれ、共同キッチンに無料の観光インフォメーションデスクまで揃っていますから、やはり日本のホステルはとても充実していると言えます。節約派トラベラーにも「More than expectation! 」とおおむね好評です。

よって訪れる客層も、ただの節約第一主義者ばかりではありません。バックパッカーを想像しがちなホステルですが、ポロシャツやワンピースなどキチンとした身なりのカップルはもちろん、子連れの家族もいれば、はたまたリタイヤ後のご夫婦まで、実にさまざまです。あなたがホステルに泊まり交流を深めるとしたら、相手に不足はないでしょう。安心しておつき合いしてよいと思います。

国内だからこその安心感

一般にホステルと聞けば、”安宿”であることを想起しますよね。また、ホステルには世代間の認識ギャップがあります。高齢であればあるほど、バックパッカーズのための「ユースホステル」を思い浮かべやすい一方で、昨今の若者はインバウンド需要が高まっているなかで生活していますから「外国人の泊まるカジュアルだけどおしゃれな宿」なんて思うことでしょう。

自分が海外旅行に行くにあたり、宿泊先にホステルを選ぶときには多少の勇気がいるものです。大人数でワイワイと交流できる楽しさに期待しながらも、同時に室内における盗難や、清潔感、それに建物の安全性などの不安が頭をよぎります。
その点、日本国内のホステルなら安心ですよね! 困ったことがあっても日本語が通じますし、日本水準での水回りやベッドが提供されますから、居心地もいいんです。それに国内ですから「ここで犯罪が起きたらどうしよう…」なんて心配はまずいりません。小腹が空けばフロントでカップラーメンの販売もありますし、キッチンで調理することも可能です。スーパーで食材を買い込めば、自宅と同じように食事をとることもできるということです。
こういった理由で、国内のホステルなら、たとえ子連れの宿泊であってもまったく問題ありません。むしろ子供が小さいうちにさまざまなホステルを泊まり歩いて、「世の中にはいろんな人種がいるんだな」と人間観察がてら国際センスを身につけさせるのもいいと思います。

国際交流はラウンジで生まれる!?

多くのホステルは、共同部屋か個室かの選択が可能になっています。もちろん料金は倍ほども違いますが、共同部屋を望む方は「昼間は長く外に出ているので、夜は寝られる場所さえあればOK」と考える方が多いようです。
でも、自分のスマートフォンに入れてある動画を見たりするのに、音が出ては同室のほかの宿泊客に迷惑ですよね。消灯後に自分だけ明かりをつけて読書するのも同じです。そういったときに「ラウンジ」の恩恵に与かるわけです。ここなら気兼ねなく自分の好きに過ごすことができます。また、退屈で寝られないというときに行ってみるのもいいでしょう。
ラウンジに出れば、(たいていは無料の)コーヒーを片手に、それぞれが好きなように過ごしているものです。中にはお酒を買いこんでミニパーティーをしている3人組、4人組もいます。テレビは1台しかないので、放送されている番組を退屈だと感じるならば、近くに座っている旅行者どうしで話をするのもよく見受けられます。同じ国の出身者でなければもちろん英語で会話をしています。
またこちらが日本人であれば、外国人のほうから積極的に話しかけてくれることでしょう。ホステルの宿泊者は、パック旅行で日本に来ていることはありませんから個人旅行客ということになります。つまり彼らは、地下鉄の乗り換えや食事の予約をいつも不安視しているものです。こんなとき日本人がすぐそこにいれば、聞きやすいですよね。道ですれ違う日本人をつかまえて尋ねるより、ホステルで出会う日本人に答えを求めたほうが「英語で適切に返答してくれる」と相手も期待しているようです。

キッチンこそが醍醐味

ホステルらしい国際色豊かな空気感は、実は共用キッチンで味わえます。冷蔵庫を開けてみればびっくり…! 名前シールが食材1つ1つに貼られているのですが、ハングルや漢字、アルファベットはもちろんのこと、明らかに読めない文字(タイ語!?)も出てきてびっくりします。

おそらく朝食用だと思われる食材には、ヨーグルトやバナナ、オートミールなどがありました。日本でも手軽に入手できるので外国人旅行者としても助かっているでしょうね。また10個入りの卵をパック買いして滞在中に使い切れない場合には、ポストイットなどの接着メモで「I’m checking out tomorrow. Anyone can have the rest.」(私は明日チェックアウトです。残りはどうぞ食べてください。)と書き置きがあることも珍しくありません。
また、ツワモノはタッパーで自国から味噌を持ち込んでいます。慣れた味でスープを作りたいのでしょう。実際に作っているところを目撃しましたし、「一口どうですか?」と小さなスープボールに筆者のぶんを用意してくれたご婦人もいらっしゃいました。そうそう、それから韓国ドラマでよく見るシーンも展開されていましたよ。サッポロ一番のような四角いインスタント麺(いわゆる「袋めん」)を、大きな鍋に入れて調理し、そのままテーブルに運んで複数人で鍋をつつきながら食べるシーンが見事に再現されていたのには嬉しかったですね。麺を移し替えるおわんを使わず、ハフハフ言いながら直接鍋からすすって食べるのが韓国カルチャーです。
白人旅行者は、わりと単身旅行者が多い印象でした。そのため、それぞれがコンビニで買い込んだお酒を持って集まり、冷蔵庫からおもむろに生ハムやらオリーブやらを出して、そのまま宴会に突入するのもよく見ます。こうして旅先で出会った見知らぬ人とも気軽に飲める気質は、日本人としてはうらやましい限りです。大量のパスタを作ってふるまっている方も、一度見かけたことがあります。カルチャー・エクスチェンジにはもってこいの場所です。
ちなみに、最近の新しいビジネスで「出張型の料理教室」というのがあります。外国人旅行者向けに、日本料理を英語で説明しながらおこなう2時間ほどのワークショップなのですが、こういったホステルでも需要があって、よく出張教室を開くそうです。

泊まる勇気が出ないならイベント参加もアリ

さて、いきなりホステルに「泊まる」という行動に踏み切れない方には、ホステル主催のイベントに参加することをおすすめします。
イベントをおこなうホステルはたいてい大きめのラウンジを有しています。広いところだと50名ほど収容可能です。ここで「たこ焼きパーティー」「お好み焼きパーティー」と題した食事会や、「Korean Night」のようにK-POPの映像を流しながら韓国料理を作る会など、さまざまな企画がおこなわれています。参加費2,000円ほどを徴収して日本酒の飲み比べ会や、夏は怪談の上映会をおこなっていることもあります。
ホステルに備え付けてある宿泊者どうしの交流ノートには、実にさまざまな言語で書き込みがされています。あの店がよかった、このイベントがよかったなど、旅の実益となる情報もあれば、ただのお絵かき帳と化しているページもあります。ページをめくりながら世界中の人の書き込みを眺めるのも楽しいものですよ。ビジターでもノートへの書き込みの許可をしてもらえることがあるので、記念になにかひとこと書いてみましょう!

実録!日本人がまったくいない富良野のホステルでの話

こちらは余談になります。筆者が夏に北海道富良野市に家族旅行で出かけたときに、ホステルを3泊予約しました。そこでは筆者の家族が唯一の日本人客だったので、フロントの方にもたいへん珍しがられましたね。フロントに近づいていったときに「アニョハセヨ」と声をかけられましたので、こちらもびっくりしました!(きっと韓国人家族に見えたのでしょう。)チェックインの段になり、ようやく日本人だとわかったらしく、「しゅつれいしました」とちょっとカワイイ日本語で返ってきたときは気持ちがなごみました。フロントの方も外国人だったというわけです!
筆者の泊まったこのホステルでは、フロントスタッフは交代制でシフトを組んでいるそうですが、スタッフにほとんどが外国人とのことでした。実際に、滞在した4日間のうちフロントで5名のスタッフをお見かけしましたが、うち1名だけが日本人でした。ここは外国か…!と心の中でつっこみを入れてしまいましたね。

日本国内でありながら、外国人率が高い場所がホテルです。そして、そのなかでも「ホステル」という場所は、国が違う人どうしで文化交流ができてしまうすぐれた特長を持っています。リーズナブルでありながら、こうした魅力があるのはぜひ広くみなさんに知っていただきたく、本記事に思いをしたためました。これまでホステルになんて興味のなかった読者様も、ぜひ一度くらい泊まってみてくださいね。

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