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海外のホテルでプールを楽しもう

こんにちは。海外旅行が大好きなころすけです。
若いころは貧乏旅行ばかりで、安全さえ担保されていれば宿泊施設のランクは問いませんでした。
ところが結婚して子供ができると、否応なしに旅の予算が上がります。ホテルブランドの信頼性はもちろん、リゾート地であればホテル内ですべて完結するようにプールやプライベートビーチなど、水遊びができる場所があることを条件に予約検索をします。
これまでの経験から、「えっ、失敗したかも!」とドキリとしたエピソードをみなさまに共有したいと思います。笑ってお読みいただけたら幸いです。

屋内プールは箱型の25mが主流

都市型のホテルでもリゾート型のホテルでも、屋内にプールを設置している場合は一般的な長方形の25mプールです。国内外問わず、これは同じ事情のようです。スポーツクラブではないのでレーンを仕切る「浮き」がついていることは少ないものの、縦にまっすぐ泳いでいくのがマナーです。やはりここは、エクササイズをおこなう目的で訪れる場所だということです。
さすがに本気のクロールを何本も泳ぐ人は珍しいものの、ゆっくり平泳ぎをしたり、水中ウォーキングで往復したり、それぞれのペースでたゆまず運動をしている人が多いです。そのため、水着のチョイスを間違えると変な人に映ってしまいます…!
女性はわかりやすく、ビキニよりワンピース型を選ぶのがよいでしょう。ワンピース型と言ってもおしゃれ系ではなく、arena などのスポーツブランドに想起されるようなデザインのものです。男性であれば、ハイビスカス柄のスイムパンツだとさすがに元気でPOPな感じが出てしまいますね。スポーティーに映ることが、あるいは色気を出しすぎないことが、屋内プールでのマナーとなります。海外のホテルだからと言って、なんとなく「日本よりは開放的になってよいだろう」と憶測をして派手な水着で登場すれば、まわりからの目線はやや痛いことになると思います。

かつてはホテルのプールは社交場だった

星つきホテルでは、客室内の充実度のほかにも、レストランやラウンジ、エステにジム、そしてプールなどの客室外設備にも力を入れています。これは単に宿泊者の利便性のためだけにおこなっているのではなく、宿泊者どうしのコミュニティ形成のために寄与しているという側面があります。そう、コミュニティです。平民の筆者にはいまひとつピンと来ませんが、やはり上流階級ならではの社交場というのが存在しています。ゆえに、過度な露出の水着は敬遠されますし、ビーチのような解放感もここに求めてはいけないのでしょう。
上記に該当する多くは4つ星/5つ星ホテルになりますが、ホテルのステータスを維持するのが「プール利用客の質」であることは事実です。どんなお客が宿泊してくれるかということと同様に、どんなお客が会員制のプール利用登録者になってくれるかということも、ホテルにとっては最重要課題です。都度払いだとひとり1日あたり5,000円~10,000円かかるプールの利用権ですが、会員制で年間通い放題となるとひとり50万円以上はします。日本だとホテル・オークラが、早いうちからその「社交場」のコンセプトをプールのサービスに反映させていました。

とある芸能人の家族は、夏休みは毎日オークラのプールで子どもたちを遊ばせていたようです。そこで出会う同じようなハイステータスの子供たちと交流を持つことで、将来的な発展につなげたかったそうです。そこでは羽振りのよい日本人だけでなく、大使館に勤めるエリート階級の親子にもしょっちゅう出会ったそうです。プールで出会った人脈は、音楽だったり学業だったりとおおいに刺激を与えてくれたようです。社会人になったあとも交流が続けば、ビジネス提携も夢じゃないかもしれませんね。

カメラを構えるなら「インフィニティプール」でしょう!

さて、こちらはお気楽な話としてご覧ください。
この数年で一気に人気に火が付いた「インフィニティプール」は、プールの水面と空が境目なく続いているように見える徹底的に計算された設計のプールです。英単語のinfinityは直訳すれば「終わりのないこと」ですが、空とプールが同じ水色でつながっているので、まさに果てがないということです。

最近は若手女子のインスタの投稿が世界各国でおこなわれていますよね。水着姿の自分の後ろ姿をだれかに撮ってもらい、「どこまでも続く青い世界と美しいプロポーションの私」とでも言わんばかりのナイスショットが次々とアップされています。インフィニティプールはインスタ愛好者が好んで撮影場所に使います。
シンガポールの「マリーナ・ベイ・サンズ・ホテル」のインフィニティプールはとても有名で、3つそびえ立つタワーホテルをつなぐように”ボート型”の屋上が出現します。なんとユニークな建物でしょうか。その屋上にあるプールこそが、世界中のみんながこぞって行きたがるインフィニティプールです。
またマレーシアの首都クアラルンプールにも、長期滞在用のコンドミニアムが多く新設されていますが、ポイントになるのはやはりインフィニティプールです。この街のアイコンであるツインタワーを臨むプール、これぞステータスです。クアラルンプールは日本からの移住者も多いので、家賃や立地と合わせてプールの充実度も住まいの検討材料に上がってくるでしょう。

余談になりますが、日本ではインフィニティ温泉が大人気です。日本語では「望洋温泉」という言い方がありますが、「望洋温泉」の場合はインフィニティ温泉より広義になります。ガラス張り屋内温泉からの海(あるいは空)の眺めであれば、それはインフィニティにはなりません。ガラスの木枠やスチール枠が邪魔しているので、海(あるいは空)と温泉がひと続きにならないからです。でも「望洋温泉」の定義を満たすには十分だということです。また仮に温泉が露天風呂だったとしても、目線の先に岩石が並んでいたり檜の柱でブロックされているならばインフィニティ温泉ではありませんよね。しかし、「望洋温泉」として表現されるのであれば、こちらも十分にOKです。日本ではインバウンド需要への対応はもちろん日本人顧客のために、これからはもっともっと充実した温泉体験が提供されること間違いなしです!

西洋人はプールでも静かに過ごしたい

こちらは別件のご報告です。日本人の多くは、自らをマナーのよい国民だと思い込んでいると思います。図々しいことに、筆者もその一人でした。しかし、この根拠のない自信が一瞬で崩れ去ったできごとがあるんです。

アジア圏のあるリゾートに行き、ホテルの敷地内にある屋外プールで親子で遊んでいた時のことです。子供が歩くたびに「ピー!ピー!」と音が鳴るサンダルで、当時1歳の娘を歩かせていました。よくある幼児サンダルです。これがまずかったんです…! プールのまわりをよちよち歩きでグルグル回る娘の姿はかわいらしかったんですが、まわりにいたのはリクライニングチェアで読書を静かに楽しむ西洋人たちばかり。日本とは勝手がだいぶ違いました。日本国内とは違って、「ああ小さい子ね、かわいいね」なんて微笑んでくれる人はいません。明らかに迷惑そうな視線をこちらに投げかけてきます。海外でゆっくり静かに過ごすバケーションに慣れていなかったもので、つい日本の「としまえんプール」や「読売ランドプール」のような家族でワイワイ型の雰囲気を持ち込んでしまったことを猛省しました。ビーチボールで遊ぶにしても、元気いっぱいな叫びはご法度ということを学びました。

西洋人はなんで泳がないの…?

こちらは筆者の個人的な疑問です。海外のホテルでいつも思うことなのですが、西洋人は屋内プールでは精力的にエクササイズしている印象があるのに、屋外プールではこぞって「寝そべる」一辺倒です。水着で登場しているのに、一回も水を浴びることなく部屋に帰っていったご婦人もいらっしゃいました。男性にしても、ときに水浴びをすることはあってもなんと時間の短いことか…。ほとんどはベンチやリクライニングチェア、ないしはバレという屋根付きのデイベッドで過ごしています。読書にipodにタブレットに、それぞれの時間の過ごし方をともにするアイテムを持ち込んでいます。
泳がないならば日焼けをしに来たの…? と思ってもみましたが、彼らはしっかりパラソルの下に入り、日焼け止めクリームも塗っていますから、やはり日焼けしたい派が西洋人の主流だとは言えないでしょう。あくまでもプールサイドで余暇を楽しむ、ということなんでしょうね。つまり、アクティブに水と戯れるのではなく「relaxing」な時間を過ごすのが目的なのだと思いました。これぞ真のバケーションなのでしょう。ラテン語の「vacare」つまり「空の」が語源の vacation ですから、なるほど納得です。
実際、プールの中でずっと何時間も過ごすのは日本人・韓国人・中国人です。海外旅行イコール、バケーションの1つの形だと単純に思い込んでいるフシがありますね。我が家も含めて、昼間にアクティブに動きすぎて夕方にはくたくたになり、夕食に出るのも億劫になるほどの疲れを溜め込んでしまうのは残念な傾向です。ゆっくりした時間を過ごすという本来のバケーションの目的から離れてしまっていますから。

お読みになっていかがでしたでしょうか。あくまで筆者個人の経験から書いたものですので、西洋人やアジア人の記述は必ずしも実際に読者様がご覧になるものと合致しないかもしれません。ひとまず、次回どこか筆者が海外のプールを訪れるときは、「海外=解放感」にならないよう周囲にも気を配って行動したいと思いました。お読みいただきありがとうございました。

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