行ってみよう! 海外のホテルでジム

文化の違い
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こんにちは。海外旅行が大好きなころすけです。
これまで滞在してきた外国のホテルには、規模や豪華さの違いがあれど「ジム」が併設されていました。建物内にこのような運動向け施設があることは知っていても、個人的にあまり利用することはありませんでした。
でもこの1~2年ほどで急に気になりだして、ときおりジムを覗いてみることにしています。ジム使用料が宿泊費に含まれているのに1回も行かないなんてもったいない、という程度の理由ですが、そこには思った以上におもしろい光景が繰り広げられていました。

早朝ジムは、ゴルフ出発前のおじさまたち多し

アジア圏の旅先には、日本のおじさま、韓国のおじさまなど、自分のゴルフバッグを持ち込んで団体ゴルフ旅行を楽しむ方が多く来られます。プレー代が安いからですね。タイやマレーシア、インドネシアが人気の渡航先です。
筆者は各国でこうしたおじさまたちの団体をずっと目にしてきたわけですが、国内における仕事での接待ゴルフとは異なり、気のおけない友人どうしで一緒にまわることが多いようです。4~8人、多いときには15人ほどの大所帯のところもあります。ムキムキに鍛えている方もいなければ、細マッチョの方もいません。下腹部だけポッコリした典型的なおじさま体型の方がほとんどですね。こぞってミズノやマニングスなどのポロシャツをお召しになっています。

毎日グリーンに出るため、日中の観光予定は組まないで、航空券とホテルを組み合わせたシンプルな旅行をされる方が典型的です。朝ごはんは6時開始の朝食会場でささっと簡単に食べて(ゴルフは早朝出発が基本!)、ゴルフ場行きのバスやハイヤーに乗り込むわけですが、どうも一部のおじさまは5時起きでジムに寄るようです。
目覚めたばかりの体を起こすためとりあえずジムに行き、バランスボールの上でゆらゆらしながらNHKを見る日本人のおじさま、朝刊を読みながら自転車こぎマシンで脚のエクササイズをゆる~くおこなう韓国人のおじさま、マットの上で談笑しながら仲良くストレッチするおじさまなど、これまで何度か目撃してきました。いずれもストイックな感じはなく、ゆるやかでrelaxingなものです。ラウンド前の軽いストレッチという意味で、ジムが役に立っているようですね。

やっぱり西洋人は本気で鍛えている!

いっぽうで期待を裏切らない西洋人、とくに男性の方たちの動向。額から汗がダラダラ流れ出るほど、ランニングマシンの上で走り続けています。音楽を聴きながら、あるいは頭上モニタで放送されるCNNを見ながら、かなり負荷のかかる走り方をしているように映ります。息が切れない程度に軽く走ることを英語では jog(ジョギングのjogですね)と言いますが、見た限りだと彼らはもう少しつらそうに走っています。
マシンエクササイズのほうでも、「このマシンでは10回を3セットおこなう」のような自分ルールを決めて、それを黙々とこなしている方ばかりでした。同じ空間にいながらも筆者はベンチに座り、彼らをただボ~っと眺めていただけですが、いずれのマシンも計画的に戦略的にこなしている印象です。自分にとって一番いい負荷になるように、マシンの”おもり”の数も何度も調整してちょうどいいところを見つけようとしたり、呼吸の吸い込みや吐き出しも決められたリズムでおこなっていました。ただの暇つぶしでジムに来たのではなく、きちんと鍛えているわけですね。

あらゆる時間帯にこういった方たちがジムに代わる代わる現れるものですから、日中を観光に使わないなんて「もったいない!」と貧乏性の筆者はつい思ってしまうのですが…。海外に来ているのにこのストイックさ、きっと病気のとき以外は毎日こうなんでしょうね。ジムで過ごす西洋人はおひとり様が多いことからも、もしかしたら同行者はさっさと観光に出てしまっているのかもしれませんね。

若いカップルがジムでデートしている~!

さて、今度は夜遅い時間の目撃談です。中国系と思われるリッチそうな20代カップルが、バーベルを交互に持ち上げて仲睦まじくトレーニングをしています。いえ、「トレーニング・デート」と言うのが的確でしょう。マシンの上に座っても運動せずに、ひたすらしゃべっているようなカップルまで見受けられました。そのまま部屋に帰るのかと思えば、気が変わったのか最後に2人並んで10分間ほど走って終了となりました。

エクササイズをすることを「かっこいい」ととらえる風潮は、日本でも中国でも同じですね。だから、ジムに行くことも「しゃれている」ことの一環なのでしょう。アスリート風ファッションも社会的に認知が高まってきたこともあって、ジムに訪れるカップルも全身キメキメのおしゃれなスポーツウェアを着用しています。もはや立派なデート服です。なかにはグッチのジャージや(それ運動用なの!?)、フェンディのスニーカーや(街歩き用では!?)、そして室内なのになぜかサングラス…。いかにも中国で財を成した若き成功者ルックを間近で見られるのは、なかなかいいものですよ。
 昔ながらの中国系のリッチさの証といえば、ご存じ「金のネックレス」です。鎖状の、ぶっといアレです。男性は小太りの体型で、白のTシャツにチノパンがお約束でしたね。恰幅のよさが1つトレードマークだったのはもう過去の話で、今のリッチな層は中肉中背が主流ですね。西洋人のようなバリバリの鍛え方はしないまでも、「太っていてはだらしがない」と危惧しているのか、それなりに体を動かし、フィジカルにもメンタルにもスマートであることを目指しているように映ります。

ホテルのポテンシャルはジムだけではなかった

意外と見落としがちなのが、ジムではなくホテルの前に広がるビーチだったり、道路だったりします。それらも立派なジョギングコースになります。ホテル客室内のデスクには宿泊約款の冊子と一緒によく「お散歩マップ」なしいは「ジョギングマップ」が置いてありますよね。屋外の軽いランを楽しみたい方はぜひ参考にしてみてください。
 せっかく外国に来たのだから、室内のジムで黙々とマシンに乗って走るよりも、ホテルの建物から出て風景を眺めながら走ったほうが異国情緒がぐっと高まります。ふだん自国で都市生活を送る人なら、ビーチの潮風も湿った空気もよい刺激になります。道路上ですれ違う地元の人や野良猫も、立派な旅の思い出となります。ジムで過ごすのが悪いことだとは言いませんが、たまには外国ムードをじゅうぶんに満喫して体を動かすのも1つの選択肢として持っておくといいでしょう。

余談 ~日本にもあった!ちょっとだけ外国気分になれるジム~

こちらは海外に行かなくても、外国人に囲まれながらエクササイズができる場所のご紹介です。
アメリカ資本の「GOLD GYM」表参道店は、外国人会員率が圧倒的に高いようです。同じく「TIPNESS」六本木店も、日本であることを忘れさせてくれる空間として有名です。
もちろんエアロビやヨガなどのスタジオメニューは日本語で進行されますが、参加者が外国人多しということで、日本にいながら外国気分を味わうことができてしまいます。当然、お客どうし英語で話す光景も珍しくないわけです。ビジターとして1回だけ行ってみるのもアリではないでしょうか。

お読みいただきありがとうございました。運動好きの方もそうでない方も、今後ホテルに滞在することがあればジムにお出かけになってみてはいかがでしょうか。人間観察にももってこいの、思いのほか楽しめる空間ですよ。

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