エモバンドとして大ブレイク中の英国のバンドThe 1975。そのボーカルであるマシュー・ヒーリーの発言が世界中で絶賛されているのです。彼は、アラバマ州で開催されたフェスで、中絶禁止法案について発言したのです。いかなる妊娠の内容でも中絶を禁止する法律は、世界中で議論を巻き起こしています。ヒーリーはどのような発言をしたのでしょうか?
世界中で反対されるアラバマ州の中絶禁止法について
アメリカ南部のアラバマ州で、いかなる理由であろうと人工妊娠中絶を禁止する法律が可決されました。問題となっているのは、レイプや近親相姦が理由の中絶も認められない点。そして、賛成した議員たち全員が男性である点。女性が自身の体をコントロールする権利が奪われたことで、世界中から反対の声が出ています。
そんな中、アラバマ州でライブを開催したThe 1975のボーカル、マシュー・ヒーリーが勇敢な声を上げました。彼はいったい何を語ったのでしょうか?
The 1975 マット・ヒーリーのメッセージで英語学習
“I was reading the abortion bill last night — I actually read the thing — it starts out by quoting the amount of Jews that died in the Holocaust and then it goes on to talk about the Rwandan Genocide, it talks about the Gulags, it talks about China, it talks about mass murder, right?” 昨夜、中絶禁止法案を読んだんだ。全文読んだんだよ。法案はホロコーストで亡くなったユダヤ人の数の引用から始まって、次はルワンダ虐殺に移るんだ。グラグ、中国と大量虐殺について語っているんだ。
【単語解説】
・abortion – 中絶
・bill
「請求書」という意味で有名ですが、ここでは「法案」です。英語記事やニュースを見ていると、よく「法案」の意味で登場するので、今回で覚えておきましょう。
・thing
thisやthat、theがつくと、thingは何か嫌だったり、むかつくものだったりを示すことがあります。ここでは、ヒーリーは中絶法案を不快なものとして表現しています。
・start out – 始まる
・quote – 引用する
・the Holocaust – ホロコースト
・the Rwandan Genocide – ルワンダ虐殺
・mass – 大量の
・murder – 殺人
There’s people — men — in the American government comparing the harrowing, difficult choices of female American citizens to the Holocaust! That is a disgrace! アメリカ政府の中にはホロコーストとアメリカに住む女性の選択を比べる人々、いや男性たちがいるんだよ!なんて不名誉なことなんだ!
【単語解説】
・government – 政府
・compare – 比較する
・difficult – 困難な
・citizen – 市民
・disgrace – 不名誉な
The reason I’m so angry is I don’t believe it’s about the preservation of life, it’s about controlling women. It’s not about that — you can hide behind that as much as you want and push your Christian narrative that sex is something to be ashamed of and therefore forcing women to have birth is some kind of — I don’t know — some good punishment for their moral indiscretion. You are a disgrace! You are not men of god! You are simply misogynistic wankers. 俺がこんなに怒っている理由は、この法案は命を守るためのものとは思えないからだ。これは女性をコントロールするためのものだ。キリスト教の教えに隠れて、セックスは恥ずべきものであり、女性に出産を強いるのは、よくわかんないけどさ、彼女らのモラルを正すための良い罰だとか言って隠れていればいいんだ。お前らは恥だ!お前らは聖人ではない!お前らは女性軽視の最低なやろうたちだ。
【単語解説】
・preservation – 保護
・hide behind – ~の陰に隠れる、うしろに隠れる
・Christian narrative – キリスト教の説話
・be ashamed of – ~を恥じる
・force – 強制する、~を強いる
・some kind of
このsomeは「いくつかの」と数量を表すものではありません。これは「ある」や「何かの」という意味のsomeであり、some kind ofで「何らかの」や「ある種の」という意味になります。
・punishment – 罰
・indiscretion – 軽率や不謹慎な行動、無思慮
・man of God – 聖人、聖職者、牧師
・misogynistic – 女性を嫌う人、女性軽視する人
・wanker – ろくでなし
マシュー・ヒーリーは強い言葉で中絶禁止法を非難しました。確かに、彼の言う通りこの法案は女性をコントロールする一面が強いような気もします。個人的に気になるのが、賛成議員に女性が1人もいない点。
マシューは中絶禁止法が可決されたアラバマ州で抗議の声を上げました。非常に勇敢な行動であり、世界中の人々から称賛を受けています。
まとめ
今回はThe 1975のマシュー・ヒーリーの、中絶禁止法に対する勇敢な声で英語学習をしました。中絶禁止法はヒーリーのほか、リアーナやレディー・ガガ、ビリー・アイリッシュなども非難声明を出しています。他のセレブの意見を見るのも、英語学習になれば、視野も広げられるので、ぜひ見てください。