日本の食文化を外国人に説明してみよう(ラーメン編)

こんな時にこんなフレーズ
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日本人にとって「ラーメン」は、語ることが山のようにある、あまりにも愛されすぎている国民食です。行列ができる人気店しかり、女性でも入りやすいスタイリッシュなヌードルバーしかり、街を歩けばここもかしこもラーメン屋。世の中にはラーメン専門の雑誌、また専属ライターがいるくらいで、たいへんに奥が深いものです。
味噌、しょうゆ、塩、とんこつ…といった基本情報に加えて、うんちくまで掘り下げてしまうと、外国人への説明としては too much になりがちです。本稿では、外国人観光客への浅すぎず深すぎずのスタンダードなラーメンの説明の仕方を、ガイドの現場からお伝えいたします。

その①ワンボウルで食事がcompleteするほどボリューミー

 日本では、ラーメン以外にもうどんやそば、それに冷や麦にそうめん…実に多くの麺が食べられています。この中でもダントツで満腹度が高いのがラーメンになります。外国にあるラーメン店も、英訳を用いずに「Ramen」と表記していますが、このRamenは外国でもすでに周知の語となっています。中国由来の中華麺ではなく、いわゆる日本で進化したラーメンを指します。

しっかりと太く、小麦粉で(ときに卵を混ぜて)練られた麺は、実に腹持ちがいいんです。チャーシューをはじめとした複数種の具材、それに熱々のスープを飲み干せば、食後の満足感は日本食の中でもトップレべルです。餃子や半チャーハンを追加する男性もたまにいますが、女性にはなかなかつらいボリュームですね。
実は、ガイド現場で個人のお客さんをラーメン屋に連れて行くととても喜ばれるんです。街中ウォーキングツアーをしていると、1日で何kmも歩くわけですから当然お腹も減ります。そこで、「安くて早くて、お腹がいっぱいになる日本食」であるラーメン店で、地元民と同じように食事ができるチャンスというのは、たいへんありがたがられます。

・Ramen is a Japanese style noodle served in hot soup. It’s a rather substantial meal compared to other noodles such as Udon.
(ラーメンは熱いスープに入れて出される日本式の麺です。うどんなどのほかの麺料理に比べて、お腹がいっぱいになります。)

・This type of noodle dish originally came from China in 19th century, and developed in our own way with a hundred variations in taste now.
(この手の麺料理はもともと19世紀に中国から伝わりましたが、日本で独自に進化して今や味のバリエーションは100にも及びます。)

・Ramen is highly welcomed by many people especially when it's cold, and also when people don’t have enough budget for meal as it only costs around 800 yen each.
(ラーメンは寒いときに特に人気があります。それに食事の予算がないときもそうですね。1杯800円程度ですから。)

・Instant noodles were invented in 1958, but the taste is quite different from real Ramen. Generally, instant noodles are thought to be a quick meal, or snack.
(インスタント麺が1958年に発明されましたが、味は本当のラーメンには程遠いものがあります。一般的にインスタント麺は、ちゃちゃっと摂る食事、あるいは軽食だと考えられています。)

その②スープの説明が肝要

 ラーメンのおいしさを決めるのに大きな割合を占める要素、それはスープです。マニアによる論評を参考にしてはあまりにも深遠なので、ここでは外国人向けにさらっと一般的知識として提供するのが吉です。

・At Ramen restaurants, Ramen soup is poured into each individual bowls from master soup bucket. When an order is taken, shop staff start to boil noodle but the soup is always ready in the big bucket. The soup has been on stove all day long.
(ラーメン店では、ラーメンのスープは、マスタースープとも言うべきバケツ状のものからそれぞれの器に注がれます。注文を受けたら、店員は麺をゆで始めますが、スープはすでに大きなバケツ状のものに用意されているんです。1日中火にかけられているんですよ。)

・There are many variations of Ramen soup in Japan. Basically 4 types are often available― Miso, Shoyu, Shio, Tonkotsu.
(日本には多くのラーメンスープの種類がありますが、基本的には4つ ―味噌・しょうゆ・塩・とんこつ―がよくあるものです。)

・Miso Ramen is not served in ordinary miso soup. When it comes to Ramen soup, the things are not so simple. Miso is mixed with many ingredients to be in harmony as a thick broth soup.
(味噌ラーメンとは、いわゆる味噌汁のスープで出されるわけではありません。ラーメンのスープという話では、単純なものではないんです。味噌はほかの材料と一緒に、濃い味のだしスープとして調和するんです。)

・Shoyu Ramen has the oldest and the most popular flavor for Japanese people because it is made from soy sauce. Its soup is clearly brown-colored and looks worth trying for foreign visitors.
(しょうゆラーメンは日本人にとって一番古くまた一番なじみがあるものです。しょうゆで作られているからです。スープは澄んだ茶色をしていて、外国人観光客にも挑戦しやすいと思います。)

・Shio Ramen is the most simplest one among 4 popular flavors but somehow it tastes more than just salt. It is surely light but has deep taste.
(塩ラーメンはポピュラーな4つの味のなかではもっともシンプルなものですが、どういうわけか単なる塩以上の味わいがあります。確かに軽いものの、奥深い味わいなんです。)

・I can’t push you to try Tonkotsu Ramen definitely.  Some people do love it but others don’t, because of its unique smell. The broth is mainly made from pork bones and fat.
(絶対にとんこつラーメンを食べてみるべきです、とは私は言えません。独特の匂いで好き嫌いが分かれるんです。だしは主に豚の骨と脂でとってあるんです。)

本当はまだまだラーメンについて語りたいところですが、キリがないのでこのあたりでやめておきます。

あなたは次にラーメンを食する機会があれば、何を食べますか? 味噌?とんこつ? それともご自宅で「出前一丁」でしょうか?
ふだん何気なく食べているラーメンですが、これは日本人の立派な食文化の1つです。カップ麺の開発秘話も含めて、すばらしい日本のカルチャーなのです。ぜひ味わってお召し上がりください。

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