そもそも日本は北半球、オーストラリアは南半球にあり、日本が冬ならオーストラリアは夏、といった具合に季節が逆転していますからね、「季節」があべこべになっています(笑)。
でも、それ以外にも日本と少し違う季節感覚があるんです。一緒にオーストラリアの季節を感じてみましょう♪
ケアンズと日本の季節感覚もちょっと違う
オーストラリアは南半球にありますから、「真夏のクリスマス」が有名でございましょう?
さらに筆者の住む街ケアンズは、オーストラリアの北部にあり、熱帯気候ですので、「真夏のクリスマス」以上に、だいぶトロピカルなクリスマスです!
サンタクロースがサーフィンに乗ってやってきたり、太陽が燦々と照るビーチでクリスマスパーティ!というだけでなく、マンゴーやライチがたくさん八百屋さんやスーパーに並ぶと「あ~クリスマスの季節だな~」と思います。
「あ、クリスマスも終わったことだし、雨季の到来かな・・・」とも思います。ケアンズは、はっきりした四季がなく、1年を雨がよく降る季節、雨季(wet season)、と降らない季節、乾季(dry season)の二つに分かれ、ちょうどクリスマスあたりから雨季になるのです。
大掃除は年末に行いません
今、ちょうどクリスマスのお話をしていましたが、日本では、クリスマスが終わると一気に新しい年を迎える雰囲気になりますでしょう?
その新しい年を迎える一環として「年末の大掃除」があります。ですが、オーストラリアでは、そもそも年末に掃除をする習慣がありません。オーストラリアだけではないのですが、英語圏の国々では、春、大掃除をする習慣があり、英語では、spring cleaningと言います。spring cleanは動詞として使うことができるので、
I am spring cleaning my house. (家を大掃除しています)
のように言えます。そして、「春の大掃除」とはいうものの、春じゃないときに掃除をしてもspring cleanということができるのですよ(笑)。例えば、
I spring clean my house twice a year. (私は1年に2回大掃除をします)
のように言っても良いのです。元々は、その昔、冬の間、暖を取るために、暖炉に薪を使うので、家がススだらけになるのを、春先に一気に家をきれいにすることから「春の大掃除」と呼ぶようになったのですが、オーストラリア、そしてケアンズに春もなにもありませんからね(笑)、いつでも使える言葉です。
花火は夏のイベントではありません
掃除もですが、花火も行われる時期が日本と違うイベントだと思います。日本では「納涼花火大会」と言いますが、オーストラリアや英語圏の国々では、「暑い夏の涼しくなる夜を花火を見て楽しみましょう!」という気持ちで花火を見ませんね~。
ですから、「納涼」を英語で説明しようとすると難しいものです(笑)。納涼花火大会を英語に訳すとすれば、’Summer Night Fireworks Festival’ のようになって、納涼の意味が完全に表現できていないので、’Let’s enjoy the cool breeze in the evening!’のように付け加えると良いと思います。
日本の人は、花火大会には浴衣を着て着飾ったり、花火がメインイベントで、それに付随して縁日などがある、という考え方で、花火にはちょっと特別な思い入れがありますものね。オーストラリアのように、お祭りの盛り上がりを高めるツールの一つとしての花火と感覚が違うかもしれません。
花火は、オーストラリアでは、大きなイベントの開会時、閉会時によく使われます。ですから、夜花火の音がどこかで聞こえると、今夜どこかで何かイベントやってるんだね~と思います。大みそかから新年にかけてのシドニーでの花火も有名ですね。
きもだめしは夏の風物詩ではありません
日本では、夏と言えば、花火も外せませんが、怪談やお化け屋敷も思い浮かびますでしょう?オーストラリアの夏にそういったイメージはありません。
「怖くてぞくぞくする」感覚が「涼しくなる」という感覚と結びつかない、とオーストラリアの人は言います。でも、英語には、意外と「怖い」と「涼しい」を結びつけるような表現があるのですよ(笑)。
to chill the spines(背筋も凍る) I heard a spine-chilling scream. (背筋が凍るような叫び声が聞こえた) to make your blood freeze(血も凍る) I was so frightened, it was enough to make my blood freeze. (とても怖くて血も凍る思いをした) to make your blood run cold(血も凍る) My first parachute jump made my blood run cold. (初めてのパラシュートジャンプで血も凍る思いをした)
お化けと言えば、お祭り大好きな日本では、すっかりハロウィーンまでもが定着してきたので「10月と言えばハロウィーン」と思う日も近いのかもしれません。しかし、ハロウィーンは、アメリカのイベントなので、オーストラリアでは今一つ盛り上がりに欠けるイベントです。
そして、余談ですけれど、英語で「怖い」と「寒い」の連想もあまりしませんが、「面白くない」と「寒い」も英語では結びつかないのでお気を付け下さいませ~。
そもそも「旬」にそんなに敏感ではないのかもしれません
ここまで季節感のずれを話しておきながらなんですが、そもそもオーストラリアの人は日本の人ほど季節をそんなに気にしていない気がします。というより、きっと日本の人は、誰よりも、とても季節の移り変わりを楽しんでいるのだと思います。
日本では、野菜一つでも「新じゃが入荷!」とか「新たまねぎのレシピ」とか新しい季節の到来を愛でる傾向がありますでしょう?オーストラリアでは、新たまねぎがあったら、個人的には、あ、おいしそう♪と思うけれど、それを何か大々的に取り上げることは一切ありません。魚も「初ガツオ」「初マグロ」と呼んだり、初物を食べると長生きする(!)、などとも言いますしね、どれほど新しい季節の訪れを大切にしているんでしょう!
食べ物や植物など自然にあるものと季節を結びつけて楽しむのは日本人の得意技だと思います!例えば、入学式の季節と言えば、自然に桜咲く景色が思い浮かびますでしょう?
オーストラリアは1月末が入学の季節なので、それもまた季節が違ってややこしいですが、どの季節であろうとも、あまり花や植物と結び付けて季節らしさを語ることはないですもの!
それでも英語にも「旬」をいう言い方はあります。例えば、
Mangoes are in season now. (マンゴーは今旬です) The restaurant uses seasonal ingredients. (このレストランでは旬の材料を使っています) It’s the best season for mangoes. (マンゴーの季節です)
のように言うことができます。
筆者は、日本生まれ日本育ちですから、オーストラリアに住んでいても、上の「旬」の英語表現をよく使って話していますよ。やはり日本人の血が騒いで(笑)、話したくなります。
年中、Tシャツ短パンで、季節感も何もないケアンズに住んでいるからこそ!なのかもしれません(笑)。