テニスの全米オープンで優勝を果たした大坂なおみ選手。彼女が表彰式で述べたスピーチがちょっとした話題になっています。大坂なおみ選手は、I’m Sorry と述べたのですが、日本語で「勝ってごめんなさい」と訳されました。でも、これは「残念です」の意味で使われたのでは?と小さな論争に。今回は I’m Sorry の使い方について学習します。
話題のシーンを観てみよう!
なおみ:I'm gonna sort of differ from your question. I'm sorry. あなたの質問とは少し違ったことについて答えます。ごめんなさい。 インタビュアー:No problem. 構いませんよ。 なおみ:I know that everyone was cheering for her. みんなが彼女(セレーナ)を応援していたことは知っています。 I’m sorry it had to end like this. このような結果になってしまい、「 ? 」。 I just wanna say thank you for watching the match. Thank you. ただ、試合を観てくれてありがとうと言いたかっただけです。ありがとうございます。
大坂なおみ選手のインタビューは、5:40秒あたりから見れます。太字の I’m sorry が話題となっている部分ですね。ニュアンスがよく分からないときは、前後の文脈から判断するのが鉄則ですが、この場合は「ごめんなさい」という謝罪の意味でも通じれば、「残念です」の意味でも通じます。
実は、大坂なおみ選手はトークショーに出演した際、この I’m sorry の意味を答えています。どちらの意味なのかは後ほどみるとして、ここからは I’m sorry の使い方について確認しましょう。
I’m sorry2つの使い方
1.謝罪を表す
まずはお馴染の謝罪を表す I’m sorry。意味は「ごめんなさい」ですね。何か間違ったことをしたときや相手を傷つけたときなどに使用されるのはもちろんですが、相手の意見に反対したり、会話を遮ったりした時などにも使われます。
I'm sorry I lied to you. 君に嘘をついたよ。ごめんね。 I'm sorry for the intrusion. 遮ってごめんなさい。 I'm sorry but I can't agree with you. すみません、でもあなたに同意することはできません。 I'm sorry, what was your name again? すみません、もう一度名前を聞いてもよろしいでしょうか?
2.残念な気持ちや同調を表現する
謝罪の次によく使われるのが、残念な気持ちを表す I’m sorry です。海外ドラマや映画でもよく見かけますよね。誰かが落ち込んでいたり、お葬式のシーンだったりで、突然 ”I’m sorry” と出てきます。
知らなければ「んっ?なんで謝ったんだ?」となりますが、実はこれは「お気の毒に」や「かわいそうに」という意味なのです!悲しみや落胆などのネガティブな気持ちに同調するニュアンスが I’m sorry にはあります。よく使われるので、ぜひ覚えていてください。
I'm sorry for your loss. お悔やみ申し上げます。 ※lossは「損失」や「失うこと」の意味で有名ですが、ここでは「喪失」という意味で、亡くなった故人を示します。 I feel sorry for him. 彼はかわいそうだ。 I'm sorry to hear about your father. お父様のこと、お気の毒に思います。
大坂なおみ選手はI’m sorry で謝罪した?それとも残念な気持ちを表した?
上の動画は、大坂なおみ選手がトークショー番組Todayに出演した際のものです。初のトークショーにもかかわらず、いつも通りのキュートで堂々とした受け答えをする大坂なおみ選手。そんな彼女は、あの I’m sorry について明かしています。3分15秒あたりから、今回のテーマにあたる部分です。
インタビュアー:What was the most poignant things that happened during the trophy ceremony? トロフィー授賞式で、最も心を打たれたことは何ですか? なおみ:I don’t know. I just felt like…everyone was sort of unhappy out there. なんて言えばいいのか分かりません。ただ、誰もがハッピーではなかったように感じました。 And I knew that it wasn’t really like the ending that people wanted it to be. (私の優勝が)人々が求める終わり方でないことも分かっていました。 In my dreams, I won a very tough, competitive match. 夢の中では、私は厳しい試合に勝ったのです。 So I don't know, I just felt very emotional and I felt like I had to apologize. でも、とても感情的になっていて、なんだか謝罪しなければいけないように感じたのです。
注目のポイントは、大坂なおみ選手が I had to apologize と言っていること。apologize の意味は「謝罪する」なので、「謝罪しなければいけなかった」という意味になります。つまり、大坂なおみ選手は「謝罪」の意味で I’m sorry を使用したのです。
報道でもある通り、あの試合で大坂なおみ選手は不利な状況にありました。観客の誰もが、対戦相手の絶対王者セレーナの勝利を望んだのです。そのため、表彰式では大坂なおみ選手にブーイングも投げられてしまうことに。彼女も、観客の求めることを分かっていたから、思いがけず謝ってしまったのですね。
大坂なおみ選手は「謝罪」の意味で I’m sorry を使用していました!ただ、 I’m sorry it had to end like this.を「こんな形で終わってしまって残念です」と読み取るのも、完璧に間違いとは言えないかなと思います。実際にSNSを見ても、英語に精通した人々の間でさえ意見が分かれていたので、難しい問題でしたね。
まとめ
今回は大坂なおみ選手の使用した I’m sorry を中心に見てきました。当然のように使っている I’m sorry ですが、奥が深いですよね。見てきたように、英語は前の文脈も考慮して、意味を読み取る必要があります。特に今回の場合は、大坂なおみ選手の言葉だけではなく、観客がセレーナ側にいた事実なども考慮しないと正しい意味は読み取れませんよね。大坂なおみ選手は様々な番組に出演しているので、ぜひ彼女の出演番組や英語記事などに目を通してみてください。