日本語でもよく耳にするようになった「バズ」。英語では、Buzz と書き「話題になる」や「流行る」といった意味があります。そして、Buzzword の意味は「話題になった単語」。日本でも毎年のように話題の単語が現れ、最終的には流行語が選ばれますよね。英英辞典Macmillan Dictionaryの公式サイトには、Buzzword という最近話題となった単語をまとめているページがあります。今回はBuzzwordで英語学習をしましょう!
See what I did there?
used as a way of drawing attention to something clever and funny that you have just said or written
引用:Macmillan Dictionary
あなたが言った、もしくは書いた面白いことを気づいてもらいたいときに使う。
まずは、See what I did there? というフレーズ。意味は「私がしたこと分かった?」です。あなたが行ったことや言ったことを、相手が理解していないかなと思ったときに使われるフレーズです。
このフレーズが有名になったのは、ドラマ「フレンズ」。メインキャラクターのジョーイとフィービーのやり取りで使用され、一躍有名になりました。ただ、実際にはそれ以前にコメディドラマや映画で何度か使用されていたそうですが。
Haha. I see what you did there. (笑)。君の意味することは分かったよ。
bronze ceiling
the fact that most public statues represent men rather than women
引用:Macmillan Dictionary
ほぼ全ての公共の像が女性ではなく男性を表している事実
これは女性権利を高める運動が多く行われた2018年ならではの単語。残念ながら、未だに女性は男性よりも給料が低かったり、不当な扱いをされたりするケースが多いです。そのため、まだまだ男女平等社会とは言えません。
男女が平等ではないことは、公共の場に設置された像にも表れています。数多くの女性偉人はいますが、銅像にされているのは男性ばかり。銅像に表れた男女不平等を示す単語です。
We should break the bronze ceiling. 私たちはブロンズ・シーリングを打ち壊さなければいけない。
Theyby
a baby who has been brought up in a gender-neutral way and not outwardly identified by its parents as either a boy or a girl
引用:Macmillan Dictionary
中立的なジェンダーで育てられた赤ちゃんであり、両親は外見で男の子もしくは女の子と判断しない。
初めてみる方も多い単語ではないでしょうか? 私も初めて、この単語を見かけました。簡単に言うと、両親によって性別が決められていない赤ちゃんのこと。性別上は男の子でも心は女の子、またその逆もしかりというケースは多々ありますよね。
性別にとらわれないで、子どもの自由に任せるという教育が、現在欧州を中心として流行っているよう。例えば、女の子でも男性用スーツを着てもいいし、男の子がスカートをはいてもいい。歌手のピンクはTheyby教育を行っていることで有名。
They want their child to be a Theyby. 彼らは子供にジェンダーに自由になってほしいと願っている。
Capitonym
a word that changes its meaning, and sometimes its pronunciation, when the first letter is capitalized
引用:Macmillan Dictionary
頭文字が大文字になると意味や発音が変わる単語
これもまた珍しい単語。おそらくネイティブもあまり見かけないことから、話題になったときに多くの人々が辞書で意味を調べ、バズワードとして認定されるのでしょう。意味は、「頭文字が大文字と小文字では意味や発音が変わる単語」。
何か例が浮かぶでしょうか? 私が真っ先に思いついたのは、march 。小文字だと「行進する」という意味ですが、Marchだと「3月」という意味になりますよね。同様に may は「~かもしれない」という助動詞で、 May になると「5月」という意味です。
この単語が流行った理由は、デジタル化が発達したからかもしれません。SNS上では、話し言葉がよく使われ、特に大文字も小文字も気にせずに投稿すると誤解を招くかもしれませんよね。この単語自体を使う機会は少ないかもしれませんが、大文字と小文字で意味や発音が大きく変わる単語があると知っていれば、会話やSNSで誤解をする可能性が少なくなるでしょう。
ambient literature
a style of literature read on a mobile electronic device which uses data about location, weather, time, etc. to personalise the reading experience
引用:Macmillan Dictionary
電子機器のデータや位置情報、天気、時間などを利用したパーソナライズ・エクスペリエンスをもたらす文学スタイル
テクノロジーが発達した文学も大きな変化を遂げるかもしれません。電子書籍が当然となった今、今度は文学も科学の力でリアル体験が行われる可能性があるのです。例えば、小説中の描かれた場所が目の前に広がったり、匂いや音さえ感じられる。そのような新たな文学ジャンルをAmbient文学と呼ぶのです。
代表的なAmbient文学は、2018年にリリースされたKate Pullingerによる作品”Breathe”。物語の主人公は、幽霊と話せる力を持つFlo。彼女が亡くなった母親とコミュニケーションをとろうとするも、他の幽霊たちがそれを邪魔しようとするのでした。
これはスマートフォンで読める作品。スマートフォンの天候や位置情報などを利用して、個別化したパーソナライズエクスペリエンスを得られます。どうやら無料で読めるようですので、スマホで試しに読んでみてはいかがでしょうか?こちらの 公式サイト から、スマホで読むことが可能です。
比較的簡単な英語で書かれていて、ページも105と短いので、英語学習に最適です。まだまだ発展段階ですが、Ambient文学の可能性を感じられるでしょう。
まとめ
今回は最近話題となった英単語5選を紹介しました。面白いことに、どれも現在の社会情勢や文化を反映しているので、英語学習はもちろん世界の情勢も学べます。Macmillan Dictionaryでは、バズワードが毎月紹介されているようなので、ぜひ英語学習教材として活用してみてください。