オーストラリアは、日本と同じく、車は左側通行、右ハンドルですので、車の免許を取るにもわかりやすい環境だと思います。ですが、日本とは異なる点もあり面白いので、今日は筆者の体験も交えながらご紹介しますね。
街で見かける車のプレート「L」
街を歩いていると、車に黄色い「L」のマークを貼って運転している人を見かけます。
これは、Learner の意味で、「まだ免許が取れるよう練習中!」というマークです。
そうなのです!オーストラリアでは、免許を持つ前から、自前の車で本物の道路で練習するのですよ!
16歳になったら、learner’s licenceに申し込む事ができます。
Learner’s licenceを取得するには、まず筆記試験に合格しなければなりません。
一般的な乗用車の筆記試験は、Class Cに分類され、一般的道路規則に関するテストです。
This test has 30 multiple choice questions. To pass you must correctly answer at least: (テストは、30問の複数選択肢問題です。合格には少なくとも次のような正解率でなければなりません。) 9 out of 10 questions about giving way(先方優先に関する問題10問中9問) 18 out of 20 questions about road rules and driver licence requirements. (道路規則や運転免許取得必要事項に関する問題20問中18問)
この筆記試験は、1日に1回受ける事ができ、試験の費用はその都度かかります。
一度筆記試験に合格すれば、5年間有効です。
give awayってどう譲る?
上の筆記試験の10問も占めるgive away(先方優先)に関する問題。give awayは、道を譲る、という意味なのですが、色々な場面があれど、日本から来てレンタカーを運転するときに戸惑うのがラウンドアバウト(ロータリー)ではないかな・・・と思います。
初めは、グルグル廻るラウンドアバウトにどう入ってどう出るか迷いますね。
覚えておくべきことは、「右から来た車優先!」
右から入ってくる車がいたら、自分はまだ待つ事!これで、とりあえず身は安全です。
そして、ラウンドアバウトのグルグルに入ったら、出たい道路口に近づくときに、左ウィンカーを出して、周りの車に出ることを知らせて出ます。
シンプルなラウンドアバウトのルールに関する説明に、クイーンズランド州政府ではこのように説明していました。例えば、ラウンドアバウトを通って左に曲がりたい場合。
Approach the roundabout in the left lane or line of traffic. (左車線あるいは単数車線の場合はそのままラウンドアバウトに近づく) Signal left as you approach the roundabout. (ラウンドアバウトが近づいたら、左ウィンカーを出す) Continue to signal left as you exit the roundabout. (ラウンドアバウトから左に出るまで左ウィンカーを出したまま進む) Turn your indicator off after you've exited. (ラウンドアバウトを出たらウィンカーを消します)
しかし、実際には、ウィンカーの出し方は、結構それぞれの方の自己流です(笑)。
なんなら、ラウンドアバウトに限らず、どこでもウィンカー使いは自由な方が多いです。
なんなら、ラウンドアバウトでウィンカーを出さない方もいて、油断禁物です(笑)。
運転は、お父さんやお母さんに教わってもよし
先ほども少し触れましたが、オーストラリアでは、正式に運転免許を持つ前に、自前の車で一般道路で運転の練習ができます。自動車運転の学校に行く必要はなく、すでに運転免許を持っている大人を隣に乗せて練習を積み、運転の実技試験に臨むことも可能です。
ただし、Leaner’s licenceを取得した際、learner’s logbookも渡されます。25歳以下のlearnerは、100時間の運転経験が必須とされています。若い人の運転事故を減らす目的だそうです。25歳以上の人は、運転経験の記録は義務ではありません。
100時間運転経験のルールは、
you must record 100 hours of supervised driving experience (100時間の監督者付き運転経験を記録すること) your 100 hours must include 10 hours of night driving (between sunset and sunrise) (100時間の運転経験には10時間の夜間運転を含むこと)
そして、記録方法などにもルールがあります。
ティーンエイジャーなどは、お父さんお母さんに習って練習をすることも多いですが、それでも、数時間は、プロの運転の先生にお願いして練習する方が多いと思います。
筆者も、運転免許をオーストラリアで取りましたが、夫に習えばいいや、くらいの気持ちで始めたら、ダメダメ!夫婦喧嘩の良い火種になるだけです。ブレーキを踏むのが遅いだのストップサインでちゃんと止まってないだのうるさいうるさい・・・
でも、運転免許取得のための学校に行くわけではないのですよ。
電話帳で、プロの運転の先生を調べて、電話予約すると、その時間に先生が車でお迎えに来てくれます。そのお迎えに来てくれた車で1時間ほど練習して、帰りは自宅でもどこでも都合のいい場所に運転していって、そこでまた次の練習日を予約して別れます。
飲み込みの良い人だったら、数回先生と練習して、あとは免許を持っている人の監督の元練習する人もいますが、筆者は、夫と練習できませんでしたので、10回ほど先生と練習したと思います。
レッスン料は人によってまちまちですが、1回日中レッスンで高くても7、80ドルくらいなので、10回レッスンしたとしてもだいぶ日本よりお安く免許が取れるのではないでしょうか。
そして、十分練習できたかな・・・と思ったら実技試験を受けに行きます。実技試験も大胆に一般道路を一通り運転するのみ。その場で合格不合格を教えてもらえます。
ですから、今まで習った運転スキル全部が試されるとは限りません。筆者も、10mくらいバックする、とか、車を停めてみる、くらいしか試された覚えがありませんし、運転の先生と練習している時も、縦列駐車を練習したのは、ほんの2回ほど。そんな調子でうまくできるはずもありませんが、先生自身「大丈夫!実技試験でこんな難しいことやりなさいなんて言われないから!」とおっしゃっていましたし(笑)。
そういえば、実技試験当日、先生も来てくれるのですが、直前になって「そういえば!まだライトのスイッチやワイパーの場所を教えてなかったね!今覚えちゃいなさい。ここがライトでここがワイパー、はい、これで完璧!」となんともハチャメチャでした(笑)。
いかがでしょう。なんだかオーストラリアで免許を取ってみようかな、という気になりますでしょう?ハチャメチャな付け焼き刃的レッスンを受けるも、筆者も運転免許を持っていますからね(笑)。誰でも取れる気がします。
そんな筆者は、免許取得の練習中、ちょっとした細道になっている我が家の駐車場への道のり、夫の誘導に従ってゆっくり運転していたところ、アクセルとブレーキをついうっかり踏み間違えて、夫を轢きそうになりまして・・・夫に運転を禁じられております・・・