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京都大学入学試験問題に挑戦

難関大学のひとつ、京都大学の入学試験問題に挑戦してみましょう。
2017年度英語第4問自由英作文です。配点は推定ですが英語全体の20%ほどになっていたようです。いったいどんな問題だったのでしょうか?

「音楽に国境はあるか」

二人の人物が登場します。
「文学には言語という国境があるが、音楽にはそれがない」、かどうかといった議論をしています。議論が論理的に展開しているように、空欄を自由英作文で埋めるという問題です。

問題文
次の会話を読んで、空欄(1)、(2)に入る適当な発言を、解答欄におさまるように英語で書きなさい。

Anne: 
Literature has a language barrier, and it's very hard to understand foreign literature. I believe there are definitely borders in literature.
But music has no borders. That's a good point of music.

Ken: 
Wait a minute. What do you mean by "music has no borders"?

Anne: 
(1)                                                                                             
In my opinion, this demonstrates that has no borders.

Ken: 
Well, actually, the problem is not so simple.
(2)                                                                                   
That's why I think there are borders in music after all.

問題文の和訳
アン: 文学には言語という障壁があり、そして外国の文学を理解するのはとても難しいわ。しかし音楽には国境がない。それが音楽のよいところね。

ケン: ちょっと待って。音楽に国境がないってどういう意味なの?

アン:
(1)                     
私の考えでは、これが音楽には国境がないということを説明しているわ。

ケン: そうかな、実際、問題はそんなに単純ではないよ。
(2)                      
だから、結局、音楽にも国境はあると僕は思うんだ。

問題文にはそれほど難しい単語や表現はありませんが、一応確認しておきましょう。

literature(不可算名詞) 文学、文芸、文献
barrier(可算名詞)  障壁、障害、妨げ
definitely(副詞)  明確に、はっきりと、確実に
border(可算名詞)  国境、縁、端、へり
demonstrate(他動詞)  証拠となる、論証している、説明する
after all(副詞句) やっぱり、結局  

解答してみましょう

それでは、解答を考えて見ましょう。

(1)は「音楽には国境がない」ということを説明または論証するセンテンスとなります。
(2)は音楽には国境がないとはいえない事実あるいは考え方を記述するセンテンスになります。

それぞれの語数は、ネット上に表されています解答欄のスペースをもとにしますと、最大で(1)は60語、(2)は50語程度となります。
もちろん長さではなく、設問の主旨に沿った内容になっているか、そして単語や文法の誤りがないかということが重要です。

日本語で解答となるべき文章を考えてみます。

(1)音楽は文学と違って万国共通よ。クラシックでもポップスでも海外の音楽を日本で普通に耳にすることができる。日本の音楽だって海外でよく聞かれているわ。人気アニメの主題歌なんてみんな知ってるわよ。

(2)普通に耳にすることができることと、それを理解していることは別問題だ。外国語の歌詞を理解するのは文学と同じように難しい。日本のアニメソングもアニメが人気なのであって音楽として理解されてるわけではない。

日本語としては充分意味が通っている、論理的に正しい展開となっていると思います。
それではこれを英語に直してみます。

(1)
Music is much different from literature. It is common in all countries.
We can hear normally not only classic music but also popular songs from overseas here in Japan.
Japanese music is very popular in other countries, too.
Theme songs of Japanese popular animes are very well known in the world.

 
(2)
Hearing normally the foreign music is not the same as understanding them.
It is difficult to understand the lyrics of foreign music because they are a kind of literature.
People don't understand anime songs as Japanese music.
They just like animes themselves.

背反する意見を短時間でまとめて論理的に記述するというかなり難易度の高い問題だと思います。

解答例をもうひとつ考えてみましょう。

(1)

Even in elementary schools in Japan, we hear foreign music composed by Beethoven, Morzart, Chopin etc.
Then we know how beautiful they are and how they can soothe our heart without any description of the music in just hearing them.
Literature needs translation if we want to understand them unfortunately.

(2)

I believe it is necessary to know the cultural background of each foreign countries if we understand the music of them.
Beethoven, Chopin and Morzart, they lived in different way of Japanese.
National trails is reflecting to musicality of each countries.

和訳
(1)
日本では小学校でもベートーベンやモーツァルトやショパンを聞くわ。
聞くだけで、なんの説明も必要とせずに、その音楽がなんと美しくそしてなんと心を落ち着かせてくれるものかということを知るのよ。
残念だけど文学は翻訳を必要とするわ。

(2)
諸外国の音楽を理解するにはそれぞれの国の文化的背景を知る必要がある。
ベートーベンもショパンもモーツァルトも日本人とは違う生き方をしたのだから。
国民性はそれぞれの国の音楽性にも反映している。

まとめ

自由英作文では、設問の内容をよく理解し、採点者を十分に納得させられる解答を書く必要があります。解答となるセンテンスの論旨が明快であることと、それをサポートする説明が必要です。
さらにこの問題では、2つの立場を論じ分けなければなりませんでした。

この問題に振り向けられる時間は20分ほどのようですから、完璧な解答を作成するのはなかなか難しいと思います。もちろん、単語のミスや文法上のミスは減点対象になりますので十分注意しなければなりません。

難関大学の入試問題が難しいのは当たり前ですが、すこしでも事前にトレーニングできているとよりいい得点が取れると思います。受験まで頑張ってください。

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