こんにちは、ころすけです。さあ前記事に続いて、今回も海外のホテル滞在時に役に立つ英単語をシェアしていきます。
「signature drink」を飲んでみましょう
レストランやバーのメニューで目にする「signature」って何でしょうか?辞書的な解釈では、「署名、サイン、他と区別される特徴的な性質」です。メニューに載っている場合は、これらのうち最後の意味があてはまります。要はそのレストランのオリジナルのもの、ということです。(オリジナルって言ってもらえれば日本人にもわかりやすいんですけれどね。英語の「original」には「起源の、根源の」と「独創的な」と両方の意味があるので、こういった場合には「original」を使わないのが海外では普通なのです。)
さてせっかく素敵なホテルに泊まっているのだから、ラウンジで一人ゆっくりとカクテルでももうかという気分のときにも、いざメニューを見ると「ん?signature drinkとは何ぞや?」と、よくわからなくてとりあえず無難なビールやジントニックを注文してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
signature drinkは言ってみればホテル独自のものなので、バーテンダーがわざわざ考案した特徴的なレシピであり、かつホテルの雰囲気を的確に表しているようなものがそれらにあたるわけです。よって聞いたこともないような名前であることが多々あります。
例えばアジア圏なら「Bangkok Night」や「Mandarin Dream」、日本なら「Last Samurai」なんて名前のカクテルがあってもちっともおかしくありません。万にひとつ、別の場所で同じ名前のsignature drinkに出会ったとしても、レシピまで同一である可能性は極めて低いと言えます。
なお余談ですが、世界的なジャズ・ダイニングのBlue Noteでは、その日に演奏するアーティストや彼らの楽曲から着想を得たsignature drinkを頻繁に提供しています。
1杯の飲み物を通してステージとの一体感がぐっと高められるのは素晴らしいことです。同様に、滞在ホテルやその地域の雰囲気を深く感じ入りたいならば、ぜひともsignature drinkを注文してみてください。より思い出深い旅行となること間違いなしです。
「executive lounge」って、実は高貴な出張族専用ではなかった事実
この10年で日本でも市民権を得てきた「エグゼクティブ(executive)」という言葉ですが、どうも重役のビジネスパーソンのイメージで固まってしまっているようです。それはそれで正しい解釈なのですが、ホテルにおいては「executive room」や「executive floor」、また「executive lounge」とう表現を目にしますね。
そしてなぜか小さい子供を連れたお客たちがそれらを使っているのを目撃したことがある方も多いことでしょう。「えっ、子連れ?しかもお父さんの服が思いっきりアロハシャツで、とてもビジネス出張客には見えないけれど?(=どう見ても家族旅行だよね!)」と、旅慣れぬうちの私はこの違和感をぬぐい切れずにいました。
ふたを開けてみると、要は少しだけ高価な部屋だというだけで、必ずしもビジネス利用である必要はなかったのです。経済力さえあれば、誰でも泊まることができるのです。
例えば家族4人のうち子供が2人で、子供と親が添い寝をするならば普通は予約時にツインルームを選択します。このとき、同じツインルームにも段階があり、「スタンダードツイン」「スーペリアツイン(デラックスツイン)」「エグゼクティブツイン」のように、部屋の広さとともに値段も上がっていきます。ここで「エグゼクティブツイン」を選べば、もちろん値段はそれ相応するとはいえ、家族全員の朝食が無料になったり、プールやジムの無料入場券が支給されたり、また「executive lounge」と呼ばれる1日に何度も出入り自由の軽食サービス所も利用できることがほとんどです。
夕方にはフリーカクテルまで出してくれるなどほかにもベネフィットが尽きないので、高価でもあえて「エグゼクティブツイン」で宿泊する家族旅行者は意外に多いのです。
ちなみに「executive floor」にある部屋は「executive room」ばかりです。エレベーターン内でカードキーをかざさないと、そのフロアに行くことすらできないことがほとんどで、ゆえに格別の高級感があります。部屋にはビジネス利用を想定した高速WiFiが用意されていたり、トラウザー用のアイロン(プレッサー)も備わっています。
部屋のデスクが大きく、コンセント口も多めになっているのが特徴です。デスクに備え付けの椅子も、長時間の仕事に耐えられるよう極めて快適なつくりとなっています。(筆者の会社員時代の椅子とは比べ物になりません!)
もともとのコンセプトはビジネス出張族のためにつくられているとはいえ、少しリッチにゆったりと過ごすには「executive room」はよい選択と言えます。クレジットカードの上級会員(ゴールドランクやプラチナランクの保有者)は、1つ下のランクの「スーペリアツイン」などで宿泊予約を入れても、空きがあれば「executive room」にアップグレードしてくれることがあります。
executiveと冠のついたものでも、決して閉じられた空間ではなく基本的には誰しもが利用できるオープンなものです。重役ビジネスパーソンでなくとも、それなりに気品ありげにふるまえば浮いてしまうことなんてまずありませんよ。バックパッカーのような格好でうろうろすることだけは避けてくださいね。
高級ホテル宿泊ならば「turn down」を頼んでみましょう
なんとなく知っているようで知らないのが「turn down」。turnという語があまりにマルチユースなので、turnを使った熟語は何十個も思い浮かぶことでしょう。筆者は英語学習歴が長いのでついturn downの何たるかを知っているような気持ちでいましたが、最近になって旅行の同行者に尋ねられたときに、「はて、そういえば…?」と困ってしまいました。
さてこのturn downとは、狭義にはまず、ベッドスプレッドや飾り用のピローを外すことで宿泊客がすぐに眠りにつくことができるよう「ベッド周りを整えるサービス」のことを言います。ハネムーンのお客ならば、ベッドを真っ赤な花びらで飾って歓待されることも珍しくないでしょう。その後、宿泊客が外出したのをスタッフが見計らって、ササっとベッドを片付けてくれますよね。そうです、これがturn downです。寝やすいようにベッドを整えてくれるのです。
広義には、夜の滞在をより快適にするための各種サービスを指します。カーテンを閉めておいてくれたり、氷を用意しておいてくれたり、また一度シャワールームを使用したのであればアメニティやタオルの補充、それに清掃まで行ってくれます。料金はかかりませんので、こちらから気軽に「Turn down, please.」と伝えてみてくださいね。
高級ホテルなら、申し出なくても自動的に行ってくれる場合がほとんどです。ちなみにごく普通のビジネスホテルでは、頼んだところでまず来てくれません。ホテルランクに合わせてサービスを要求しないと無粋な印象になってしまうのでご注意を!
セレブのあなたは「valet」を
最後はこちら。自分でホテルの駐車場内に駐車せず、ホテルのスタッフに駐車を代わってもらうことをバレーパーキングと言います。英語では「Valet」と書きますが、後ろアクセントで「バレイ」と発音することが多いようです。まずこちらは先ほどのexecutiveの話とは異なり、庶民の筆者には一生縁のないサービスに思われます。
どのように利用するかといえば、まずホテルの正面玄関に車を乗りつけ、車のエンジンをかけたまま「Valet parking, please.」と伝えてあなたは車を降りればよいのです。トラブル防止のため貴重品は持って出ましょう。このとき引換券をもらいます。この引換券は出庫してもらうときに必要になるものですからなくさないようにしましょう。
さて気になるお値段ですが、アメリカでは20~30ドルが相場のようです。1日料金ということもあれば1回料金ということもあります。これに1~2ドルのチップが必要です。
日本のホテルにももちろんこのサービスはありますが、例えばパークハイアット東京であれば1日5,000円もするそうです(ただし1日のうち何度も出し入れ可)。筆者ならば間違いなく自分で駐車しに行きますが、いつかこのひと手間をホテルマンにゆだねることができたら「あぁ出世したなぁ!」なんて感激することでしょうね。
さて、今回はちょっと背伸びしたホテル滞在にまつわるtipsでした。筆者もいつか夢のスイートルームに泊まれるようになって、セレブ滞在に関する英語も記事にしたいものです。駆け出しライターですが、応援よろしくお願いいたします!