分からないことがあったら尋ねるというのは、学習の基本姿勢です。英語を学ぶ上でも、例えば外国人と話しているとき、おや?と思ったことがあったらその場ですぐに聞くのが、効率よく学ぶコツです。でも、そもそも聞き方が分からないと欲しい答えを得ることが出来ません。
分からないことの「訊き方基本形」をまとめてみました。
何ていったらいいかな・・・?
あることを説明したいけど適切な言葉が出てこないなんてことは、日本語を話しているときでもよくあります。
・How should I say…? / How should I put it…?(何ていったらいいかな・・・、何ていうか・・・) ・What was it…?(あれは、何だったっけ・・・)
何て言ったらいいかな・・・?というとき、How can I say…? というと、言いたいことはハッキリしているのだけど、説明の仕方が分からないというように聞こえます。
一方、What can I say…? というと、何を言ったらいいか分からないということです。
あれ/これ/それは何ですか?
目の前にあるものについて、それが何なのかを尋ねたいときにどう言えばいいかは、お分かりですよね。
・What is this?(これは何ですか?) ・What is that?(あれは何ですか?) ・What is it?(それは何ですか?)
対象が複数の場合は、What are these?(これらは何ですか?)、What are those?(あれらは何ですか?)と複数形になります。
・Is it ○○?(それって、○○ですか?) ・Isn’t it ○○?(それって、○○ではないのですか?)
ところで、上記の質問のように、「Isn’t it」と否定形で訊いた場合、英語ではYesとNoの答えに少し注意が必要です。
日本語では、「○○ではないのですよね?」と訊いた場合、「はい、○○ではありません」または「いいえ、○○です」となります。「はい」なのに否定、「いいえ」なのに肯定というねじれがあります。質問そのものに対し、「はい、お訊ねの通りです」、あるいは「いいえ、(そうではなく)○○です」と返答している形です。
それに対し英語では、聞かれている事実に対してYes・Noを表明します。
・Wasn’t it you who called me this morning? (今朝、電話をくれたのはあなたではなかったのですか?) ・No, it wasn’t me.(いいえ、私ではありません。) ・Yes, it was me.(はい、私です。)
このような否定疑問文は、日本人が英語を話していてよく混乱する点の一つです。でも、これも慣れですので、いずれ混乱することはなくなるでしょう。逆に、YesはYes、NoはNoと明らかな英語式の方がしっくりくるようになるかもしれません。
余談ですが、筆者が住んでいる東アフリカの国タンザニアの公用語・スワヒリ語も、日本語と同じ返答の仕方をします。タンザニア人と英語で話していてこのような応答があると、英語式に答えてくれているのか、スワヒリ語式になっているのか曖昧なため、改めて確認してみることがよくあります。
英語では、何ていうのですか?
話をしていて、「さて、○○は英語で何ていうのだろう?」と思うことはよくありますよね。
・What do you say ○○ in English?(○○は英語で何ていうのですか?) ・How can I describe ○○?(どういったらいいかな?)
あることを英語で言いたいけれど、言い方が分からないときはこうです。
・What can I say / How can I say in English?(英語では何ていったらよいだろう?)
発音を尋ねる
ネイティブに発音を確認したいときがあります。
・How do you pronounce ○○?(これはどう発音しますか?) ・Can you pronounce ○○?(○○を発音してみてくれますか?) ・Can you repeat it again? / Can you say that again?(もう一回言ってみてくれますか?) ・Can you say that more slowly?(もう少しゆっくり言ってもらえますか?)
意味を尋ねる
ある言葉がどういう意味なのかを尋ねるときは、次のように聞きます。
・What does ○○ mean? (○○ってどういう意味ですか?)
相手の話の意図が分からないときの「どういう意味ですか?」を聞くときはこうです。
・What do you mean by ○○?(○○ってどういう意味ですか?) ・What do you mean?(それは、どういう意味ですか?)
ただし、話すときのニュアンス次第では、単に分からないことを質問するだけでなく、「どういうつもり?」と相手を責める言葉にもなります。話すときの口調に気をつけましょう。
聞きたいことがあるんだけど・・・
あらためて尋ねたいことがあるときは、このように口を開きます。
・I have a question / I have a question to ask.(訊きたいことがあるんだけど。) ・Can I ask you a question?(ちょっと訊いてもいいですか?) ・This must be a common question・・・(よくある質問だと思うのですが・・・)
英語で質問というと、question。でも、他にも似たような意味でinquiry、enquiry、queryなどがあります。日本語の「質問」という言葉に一番近いのはquestionになるでしょう。
inquiryとenquiryはスペルの違いで、アメリカではinquiryと書くことが多く(American English)、イギリスではenquiryと書かれる(British English)ことが多くなっています。
質問よりもさらに深く追求することで、investigation(調査)に近い言葉です。
ところで質問といえば、アンケートという言葉は英語ではありませんのでご注意。
英語ではquestionnaireと言います。
何かについて、説明して欲しいときの依頼の仕方はこうです。
・I have something that I want you to explain.(あなたに説明して欲しいことがあるのですけど。) ・Can you explain about this for me?(これについて、ちょっと説明してもらえませんか?)
私には意味が分からないのだけど、あなたなら分かるかしら?というときは
・Do you understand what this means?(この意味分かりますか?) ・Does this make sense to you?(これは、筋が通っていると思いますか?) ・I have no idea.(私にはちっとも分かりません/お手上げです。)
多分、こうじゃないかしら・・・?
・I think / guess this means・・・(私が思うには・・・) ・This must be・・・(これはきっと・・・) ・Maybe this is・・・(多分、これは・・・)
ところで、日本語の「多分」にあたる英語を考えるとき、maybe、perhaps、probablyなどが思いつきます。maybe、perhaps、possiblyなどはどれも同じような度合いで「多分」です。これといって確かな根拠があるわけでもないけれど、という感じです。
これが、probablyになるとそれなりの根拠があることを示唆します。さらにlikelyになると、もっと可能性が高く聞こえますし、はっきりした根拠がある場合はpresumably、apparentlyであれば「○○なようだ」あるいは「○○らしい」と、ほぼ確定したようなニュアンスになるという使い分けがあります。
どう思いますか?
相手の意見を聞きたいときの尋ね方です。
・What do you think about ○○?(○○について、どう思いますか?) ・How does this sound to you?(これについて、どう思いますか?) ・I want to hear / have your opinion.(あなたの意見を聞きたいのですが。) ・Let me hear what you think / your opinion.(あなたの考え/意見を聞かせてもらえますか?)
どう感じますか?
・How / What do you feel if ~?(もし~だったら、どう感じますか?)
よく、「人の身になって考える」といいます。英語では、靴(shoes)という言葉を使って表します。stand in ○○’s shoes / put oneself in ○○’s shoesで、「○○の立場に立って」という意味です。
・You would have done the same if you stand in my shoes / if you put yourself in my shoes. (私の立場になってみれば、あなたも同じことをしたでしょう。)
似たような表現に、see △△ from ○○‘s point of view というのもあります。「○○の立場に立って△△を見る」です。
・Try to see the situation from the victim’s point of view. (犠牲者の立場になって状況を見てみてください。) ・It is all true from his point of view.(彼の立場からすると、確かにその通りですね。)
まとめ
正しい答え、あるいは欲しい答えを引き出すには、質問方法が適切でなければなりません。
ここで集めた訊き方を駆使したら、英語学習者が知りたい情報が十分に集められるはずです。