英語を学習しているのはもちろん日本人だけではありません。英語圏以外の国の人たちも英語を学習しています。外国人たちがどのように英語を学習しているのか気になりませんか?今回は筆者のアルゼンチン人妻の英語学習方法を紹介します。
アルゼンチンで英語は通じない!?
昔スペインの領地であったアルゼンチンの公用語はスペイン語です。そのため多くの方が英語を喋ることができません。また英語学習に力を入れているというわけでもないので、全体的に見ると日本人の英語の方がレベルは高いです。日本人なら誰でも知っている英単語、例えばHelpやAppleまでもが通じない時はあります。もしアルゼンチンに来ることがあれば、英語は通じないと思っていたほうがいいでしょう。
そんなアルゼンチンで生まれ育った純粋なアルゼンチン人が私の妻です。私たちが会話を行うときの言語は日本語でもなく、スペイン語でもなく、英語なのです。つまり彼女は英語を喋ることができるのです。
そんな彼女ですが留学経験はもちろん、隣国チリと日本以外の海外旅行経験はありません。つまり欧米圏に行ったことがないのです。そんな彼女は一体どうやって英語を喋ることができるようになったのでしょうか?
アルゼンチン人が英語マスターするまでに行った学習法
実際に彼女に、どんな英語学習法を行ったのか聞きました。正直な感想、地球の裏側にある南米アルゼンチンでも英語学習法はさほど変わらないのだなという印象です。ここからは実際に彼女が行った英語学習法を紹介します。
英語のドラマ・映画ばかり見る
まずは毎日英語のドラマと映画ばかり見ていたそうです。これは今でも同じですね。南アメリカ大陸に位置するアルゼンチンでは、毎日FOXやHBO、ディスカバリーチャンネル、ディズニーチャンネルなどが放送されています。スペイン語に吹き返されたものもありますが、多くは英語音声・スペイン語字幕です。
彼女はアメリカのドラマやドキュメンタリー、あとはディズニーアニメが大好きなので昔から毎日見ていたそうです。そしてドラマや映画は何度も繰り返し放送されます。同じものを何十回も見ていれば自然と英語でのセリフも覚えていきました。
これは私たちも真似できますね。ポイントとしては同じエピソードや映画を何度も繰り返し見るということです。1エピソード見たら終わり、1本映画を観たら終わりではありません。
外国人とチャットを行う
私がアルゼンチンに来て驚いたのは意外とテクノロジーが発展しているなということです。少し失礼ですが、正直日本と比べるとかなり劣っているのだろうなと思っていました。しかし私は間違っていました。
アルゼンチン人は人と話すのが大好きみたいです。常にWhatsAppやFacebookを使用して人と話をしています。彼女も例外ではありません。しかし彼女が他のアルゼンチン人と違う点は、チャット相手が外国人だったということです。
日常的に外国人とチャットを行うことで自然と英語の表現の幅を広げることが出来ました。もちろん初めは速くレスポンスすることが出来なかったそうです。しかし色々な国籍の人と長年チャットを行っていくうちに、相手の言ったことを一度スペイン語に訳す必要がなくなった、つまり英語を英語で理解できるようになったそうです。この能力は非常に大切です。
多くの方は英語を喋る時は次のようになっていると思います。
頭の中
英語→ 英語→ 日本語に訳す→ 言いたいことを日本語で考える→英語に訳す
しかしこれでは会話のリズムがずれてしまうので、理想は次のようになることです。
頭の中
英語→ 英語で理解する→ 英語で言いたいことを考える
彼女はチャットを行うことで、この理想の英語脳を作ることが出来たそうです。彼女が重要視していたのは返答のスピードだそうです。LineやWhatsAppではメッセージが読まれると「既読」マークがつきますよね。「既読」マークがついて1分も、2分もかかって返信するのは単純に格好良くないと思ったから、可能な限り早く英語で返信するようにしたそうです。
チャットを行うことで、英語に対する反応が早まるのですね。何より様々な国の人と話すのは楽しく、英語学習のモチベーションになるはずです。
文法はThatさえ使えばOK
彼女は自身のことを怠け者と言います。特に英単語を学ぶのが大嫌いだったそうです。退屈で、辛いだけの英単語学習を避けたい、この思いを強く持った彼女が開発したのがThat Thing Used For~です。意味は「~で使われるアレ」。
この表現は英英辞書などでよく使われます。彼女が偶然見かけた際に、とても便利だと思ったそうでしばらくチャットや英会話の時に多用していました。
使い方は非常に簡単です。~の部分に動詞のing形、もしくは名詞を入れるだけです。例えば「ほうき」という単語を意味するBroomを知らなかったとしましょう。そんな時は次のように言うことができます。”Give me a that thing used for cleaning the floor.”。この文章の意味は「床を掃除するのに使われるアレ渡して」です。因みに彼女は掃除機が欲しいときは次のように言います。”Give me a that machine used for cleaning the floor.”。どうですか?非常に便利ですよね。
彼女は一時期この表現を多用していました。しかしこれでは単語数が増えないので、最近は使用するのを控えているそうです。ただ非常に便利な表現なので、時々使用する分にはいいですよね。
私の場合は、暇なときに英英辞書をよく見ていました。難しい単語を調べるのではなく、すでに知っている英単語を調べていました。例えばWalkやCuteが英語でどのように説明されているのかを見ていたのです。これは意外と面白く、ボキャブラリーも増えるのでおすすめです。
文法なんていらない
彼女が言うには文法学習はずっと行っていないそうです。実際に私が彼女と初めて会ったときは間違った文法で英語を話していました。よく言っていたのは”Do you want I to~”です。正しくは”Do you want ME to~”ですよね。そのことを指摘すると、彼女は別に大した問題じゃないというのです。
確かにその通りです。実際に彼女の言いたいことは伝わるので、文法の間違いなど大きな問題ではありません。彼女は英語を話すうえで、完璧な英語を喋ろうとすることよりも、相手が理解できるような英語を喋ることを大切にしています。相手が理解できたのなら、多少の間違いなど気にする必要はありません。
間違いを犯すのを怖がって喋る機会を失うくらいなら、どんどん間違った英語を喋る方が数倍ましです。英語を喋る時には自信を持つことが大切です。
日本人の方が英語のレベルは高いですが、英語を喋ることができる人の割合はアルゼンチン人の方がいいからです。多くのアルゼンチン人は自ら「英語喋ることができるよ」と言い、自身を持って間違った英語を話します。
もしあなたが英語学習を行っているのならば、間違いを受け入れることが大切です。私の妻が言うように、ほとんどの間違いは大した問題ではありません。
コミュニケーションとれる英語が大切
まずはコミュニケーションを取ることができる英語を身に着けるのがいいでしょう。つまり文法や単語のミスをしてもいいということです。ある程度コミュニケーションが取れるようになってきたら、次第に洗練した英語を目指すのがおすすめ。ぜひ彼女の英語学習法を参考にしてみてください。