知っていますか?ハイフンを使って生き生きと描写される英単語

単語・フレーズ
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2つ以上の単語をハイフン(hyphen)でつないで、複合語(compound words)にして使うことがあります。既存の単語では表しきれないことでも、状況に即した言葉をハイフンでつなぐこと(hyphenation)で、柔軟かつクリエイティブな表現になっています。
たくさんありますが、いくつかをピックアップして見てみましょう。

まずはじめに:よく似ているハイフンとダッシュ

ハイフン(-)とダッシュ(―)、似ていますが、別物です。使い方も異なりますが、まず第一に長さが違うのです。ハイフンの機能はいくつかありますが、基本的には単語と単語をつないで複合語を作るのに使います。
他方、ダッシュは句読点の一つです。コロンやセミコロンに準じた使い方をします。ハイフンの前後にはスペースは入りませんが、ダッシュの前後には入ります。

well-で始まるもの

well-で始まるものは、皆さんが最もたくさん思いつくのではないでしょうか。
「よく◯◯された」という意味になります。

well-fed(よく肥えた)
「十分に食べ物を与えられた」つまり「肥えた」という意味になります。

・A well-fed pig.
(よく肥えた豚)

ちなみに、この「肥えた」は食物を与えられた結果、肥えたということであり、土地が「肥えた」というには当てはまりません。「肥えた・肥沃な」土地というときは「rich」や「fertile 」を使います。

・rich / fertile soil
(肥えた/肥沃な土地)

well-educated(学のある、教養のある)
「よく教育された」でintelligentと同義です。

・The minister is well-educated.
(その大臣は教養が高い人物である。)

well-chosen(念入りに選んだ)

・She must have been fully satisfied with his well-chosen gift.
(彼が念入りに選んだギフトだから、彼女はさぞ満足したことだろう。)

「a few well-chosen words」で、「簡潔なスピーチ」という意味になります。

・She introduced herself with a few well-chosen words.
(彼女は手短かなスピーチで自己紹介した。)

well-said(よく言ったものだ)
使う状況により、「うまく言い当てている」にもなるし、「よくぞ言ってくれた」というニュアンスにもなります。

well-deserved(受けて当然の)

・You should be proud of the well-deserved reword you received.
(君が受け取った報酬は当然のものなのだから、喜ぶべきだよ。)

well- とつなげた表現は自由自在、この他にもまだまだたくさんあります。
well-kept(よく整理/手入れされた)、well-arranged(よく整理された/準備された)もよく使える表現です。

・The house was very old but well-kept.
(古い家だったが、手入れが行き届いていた。)
・The documents were well-arranged.
(書類はきちんと整理されていた。)
・The trick was well-arranged.
(仕掛けは入念に準備されていた。)

well-wisher(人の幸福を願う人)
世の中にはwell-wisherという方もいます。

・A well-wisher brought a box of toy to the orphanage.
(有志の方からおもちゃが一箱、孤児院に届けられました。)

self-

self-に続けて「自己◯◯」や「それ自身で(自動で)」という意味を作ります。日本語でも「セルフサービス」と言いますよね。

self-employed(自営業)

・My  father is self-employed.
(父は自営業です。)

self-protection(自己防衛)

・I keep a pepper spray in my bag for self-protection, just in case.
(いざというときの護身のために、バッグにペッパースプレーを入れています。)

self-replenishingv(自己補給される)

・This feeder is self-replenishing.
(この給餌器は自動補給タイプです。)

self-sufficient(自給自足)

・I’ve lived all the way by myself so I’m quite self-sufficient. 
(これまでずっと一人でやってきたからね、結構一人でも平気なんだ。)
・There is an institute whose aim is to give women with disability training of sawing and business skills to make them self-sufficient.
(障害を持つ女性たちに裁縫のトレーニングとビジネススキルを与え、自立を目指す施設があります。)

筆者の住むタンザニアには、そのような社会的弱者を支援する施設やプロジェクトがたくさんあり、品質・デザイン共に高い商品が生み出されています。

self-taught(独学の)

・ Most of these women sculptors are self-taught.
(これらほとんどの女性彫刻家たちは、独学で彫刻を学びました。)
・A self-taught woman sculptor.
(独学で学んだ女性彫刻家。)

その他にもクリエイティブに表現いろいろ

short-sighted(近視、近視眼的な)
「近視」のこと。ですが、視力のことだけでなく先のことや大局を考えない「近視眼的な」という意味としても使います。ちなみに、遠視はlong-sightedです。

・Don’t be short-sighted. You should always keep a bigger picture.
(目先のことばかり見ているようじゃダメだ。広い視野を持たなきゃ。)

skin-deep(上辺だけの、浅はかな)
皮一枚だけの薄っぺらさという表現ですね。

・He might look very gentle but I know it’s just skin-deep.
(彼はすごく優しいように見えるかもしれないけど、本当は見せかけだけなのよ。)

tight-lipped(口を堅く結んだ=口が堅い)

・The boy stood solemnly and tight-lipped as he was so nervous being taken to the un-known place.
(見知らぬ場所に連れてこたれた男の子は緊張のため、硬くなって口を結んで立ちすくんでいた。)
・Don’t worry. She is tight-lipped.
(彼女は口が堅いから心配無用。)

finger-licking(指をしゃぶりたくなるくらい美味しい)
mouth-watering(ヨダレが出そうに美味しい)
finger-licking(指をしゃぶりたくなるくらいに)、 mouth-wateringは(ヨダレが出そうなほど)。つまり、どちらも「美味しい」という意味です。

・Here is his secret recipe for finger-licking cheese cake.
(これが彼のとっておきの、美味しいチーズケーキのレシピです。)
・I can’t wait to visit my mom and have her mouth-watering dishes!
(お母さんのところに行って美味しい手作りの料理を食べるのが待ち切れない!)
・Her mouth-watering treats are the only reason to attend the boring meeting.
(退屈な集まりに出席するのは、彼女の美味しいごちそうがあるからというだけです。)

sought-after(必要とされている/求められている)
「seek after」(探し求める)を形容詞形にして使っています。

・The old man was so venerable that his advices had been always sought-after.
(その老人はとても人徳が高かったため、人々はいつも彼のアドバイスを求めた。)

似た表現に、much-needed(必要とされている/求められている)というのもあります。

・The truck has just arrived, which was full of the much-needed items for the refugees.
(難民たちが必要としていた品物を満載して、トラックが到着した。)

nitty-gritty(問題の核心点)
物事の核心、重要ポイントのことです。

・Let’s get down to the nitty-gritty.
(本題に入りましょう。)

chop-chop(早く早く!)
「Hurry up!」と同じ意味ですが、愛嬌がある言い方ですよね。中国語に由来してるようです。

・「I’m getting 40 next month. I need to find a partner.」
(来月40になるんだよね。パートナーを見つけたいんだよ。)
・「Chop-chop!」
(急がなきゃね!)

far-fetched(あまりに現実からかけ離れていて、無茶な)

・Don’t discourage me saying it’s far-fetched. I just want to give a try.
(到底無理だなんて言って、オレを思いとどまらせようとなんてしないでくれ。とにかくやってみたいんだ。)

hard-won(苦労して勝ち取った、ようやく手に入れた)

・No matter how hard-won, there will be the time to let go.
(どんなに苦労して手に入れたとしても、手放さなければならない時がやって来る。)

deep-hearted(深く心にしみる)

・Over the past few weeks, my husband and I’ve had some deep-hearted conversations.
(この数週間、夫と私は互いの気持ちをさらけ出して会話を重ねて来ました。)

「-hearted」の形の表現もいろいろです。
warm-hearted 思いやり深い
heavy-heartedとすると、文字通りの意味は「重い心で」。心が重苦しい、つまり、「とても悲しい」という意味になります。

high-spirited(元気がよい、威勢がいい)

・Young and high-spirited lady.
(若くて元気のよい女性。)

must-have(必携の品)
最近は日本語でも、「マストハブアイテム」と言いますよね。must-read(必読(の))、must-see / watch(必見(の))、must-visit(訪れるべき)などもあり、自在に応用することも出来ますね。

・a must-read book
(必読の書)
・a must-watch movie
(必見映画)

そして、「to-do list」(やらなければいけないこと一覧」も、「TO DO リスト」として、すでに日本語の中でそのまま使われていますよね。忙しい毎日を効率良くオーガナイズするためにTO DOリストを活用している人は多いのではないでしょうか。

まとめ

単語同士をハイフンでつなぐことで、表現の幅が格段に広がることがお分かりいただけたでしょうか。適切な言葉が浮かばないときに、自分で創作したことがある人もいるのでは。
元の単語の意味が分かっていれば、初めて見る表現でも意味がよく伝わるところも面白いですよね。

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