洋楽を上手に歌える方は格好いいですよね。ロックやポップを綺麗な発音で、まるでネイティブのように歌う方には憧れを持ちます。今回は皆さんに洋楽を上手に歌うためのアドバイスをいくつかしたいと思います。今回は数ある歌のジャンルの中で最も難しいラップに挑戦していただきます。
ラップを歌うことが発音向上の近道
ラップは難しいですよね。日本語でも歌うことができる人は少ないと思います。でも英語でラップを歌えたら最高に格好良くないですか？もちろん格好いいというだけで、ラップを歌うのをすすめている訳ではありません。ちゃんとした理由もあります。
ラップを歌う練習をすることで得られる最大のメリットは英語のリズムをつかむことができるということです。英語は日本語とは違い、激しく強弱がついたり、リエゾンと呼ばれる単語と単語の音がつながる現象などがあったりします。
ネイティブのような発音で英語を喋るためには、英語特有のリズムを身につけないといけません。そしてラップこそが英語のリズムを身につけるベストな教材なのです。ラップを上手に歌うためには、リズムよく歌わないといけません。何度も練習を繰り返すうちに、自然とラップが上手になるだけではなく、英語のリズムも身につけることができるのです。
他にもボキャブラリーが増えたり、文法を学ぶのにもラップは最適ですが、やはり最大のメリットは発音向上です。ここからは英語でラップを歌うことができるように2つのアドバイスを紹介します。
Tongue Twister
“tongue twister”とは「早口言葉」のことです。早口言葉はラップを上手に歌うために必須の練習です。早口言葉は日本語にはない英語の音を学ぶことができ、発音向上も大きく期待できるので英語学習者は絶対に行うべき学習方法です。私はオンライン英会話を行う前や、仕事を行う前には英語の早口言葉を言って、口周りの筋肉をほぐしていました。
皆さんに行っていただくTongue Twisterは以下のものです。
1．Peter Piper picked a peck of pickled peppers. Did Peter Piper pick a peck of pickled peppers? If Peter Piper picked a peck of pickled peppers, where's the peck of pickled peppers Peter Piper picked?
2．How much wood would a woodchuck chuck if a woodchuck could chuck wood? He would chuck, he would, as much as he could, and chuck as much wood as a woodchuck would if a woodchuck could chuck wood.
3．I scream, you scream, we all scream for ice cream!
4．I saw Susie sitting in a shoe shine shop.
5．Fuzzy Wuzzy was a bear. Fuzzy Wuzzy had no hair. Fuzzy Wuzzy wasn't very fuzzy, was he?
6．Can you can a can as a canner can can a can?
7．I have got a date at a quarter to eight; I’ll see you at the gate, so don’t be late.
8．If two witches would watch two watches, which witch would watch which watch?
9．Betty Botter had some butter, “But,” she said, “this butter's bitter. If I bake this bitter butter, it would make my batter bitter. But a bit of better butter – that would make my batter better.” So she bought a bit of butter, better than her bitter butter, and she baked it in her batter, and the batter was not bitter. So 'twas better Betty Botter bought a bit of better butter.
10．When a doctor doctors a doctor, does the doctor doing the doctoring doctor as the doctor being doctored wants to be doctored or does the doctor doing the doctoring doctor as he wants to doctor?
早口言葉を行う際には必ず、正しい発音を意識しながら行ってください。最初は難しく、普段使わない顔の筋肉も使うので疲れるかもしれませんが、頑張って行えば必ず発音とリスニングは向上します。
Rhyme
ラップで大切なのは韻です。韻を踏むことがラップの最低条件となります。少し視点を変えれば韻を踏んでいる部分を意識して、そして強調して歌えば一気にラップっぽくなります。
動画は韻について詳しく解説しています。FiveとMyは「アイ」という共通発音があり、CatとLastは「ア」という発音、そしてTurdsとWordsもまた発音が似ています。韻は必ずしも完璧に一致しなければいけないというわけではなく、音が似ていればOKです。これらの単語を使用して韻を踏んだラップを作ってみると以下の通りになります。
I was walking down the street step in five cat turds. I’m really freaking gangsta those are my last words.
それぞれの色が韻を踏んでいることは明らかですよね。ラップではこの韻を踏むということが重要で、特に強調されるのです。
英語のラップに挑戦
ここからは実際に英語のラップに挑戦していただきたいと思います。使用する楽曲は2017年のグラミー賞にもノミネートされているカニエ・ウェストの”Ultraight Beam”。楽曲には今最も勢いのある若手ラッパー、Chance The Rapperも参加しています。今回はChance The Rapperのラップ部分に挑戦していただきます。該当ラップ部分は2：52から始まります。
Foot on the Devil's neck 'til it drifted Pangaea I'm moving all my family from Chatham to Zambia Treat the demons just like Pam I mean I fuck with your friends, but damn, Gina I been this way since Arthur was anteater Now they wanna hit me with the woo wap, the bam Tryna snap photos of familia My daughter look just like Sia, you can't see her You can feel the lyrics, the spirit coming in braille Tubman of the underground, come and follow the trail I made Sunday Candy, I'm never going to hell I met Kanye West, I'm never going to fail He said let's do a good ass job with Chance three I hear you gotta sell it to snatch the Grammy Let's make it so free and the bars so hard That there ain't one gosh darn part you can't tweet This is my part, nobody else speak This is my part, nobody else speak This little light of mine Glory be to God, yeah
まだまだチャンスのラップ部分は続きますが、まずはここまで歌えるように練習してみてください。大切なのは色付けした韻部分を意識することです。最初は絶対に歌えないはずです。しかし練習するたびに、英語の発音やリズムが良くなっていき、必ず歌えるようになります。
ラップは芸術
Chance The Rapperのラップパートを見てもらうと分かるように、韻が綺麗に踏まれていますよね。これは芸術です。韻を踏みつつ、意味のある歌詞を作るのは困難です。しかしラップを作るのは難しいかもしれませんが、皆さんはラップの歌い方は今回学びました。一流アーティストの才能に触れながら、英語の発音をどんどん良くしていってください。